2008-01-01から1年間の記事一覧

エーテル海のヨット

ヨットはなぜ風上に遡ることができるのか、不思議だと思わないか? 海辺を見渡しても、あるいは陸上であっても、自然に風と反対方向に走って行く物体を見たことがない。 ヨット以外は。 子供のころ、「全方位風力船」なるものを考案したことがある。 船の上…

フリップフロップはどのように動くのか

デジタル論理回路を学ぶとき、最初の難関となるのが「フリップフロップ回路」であろうと思う。 デジタル回路の基本素子である AND回路、OR回路、NOT回路 については、さほど難しくは感じないであろう。 ところが、たった2個の NAND回路(NOT+AND回路)を組…

チューリングマシンは何を示したのか

コンピューターの歴史をたどると、その理論的な原点として「チューリングマシン」にたどり着く。 1本の記録テープと1個の有限状態機械から成る、この仮想的な装置を知る人は少なくないかもしれないが、チューリングがどのような意図で「チューリングマシン…

不完全性定理の最短理解

コンピューターに携わっているものにとって、プログラムの間違い探し、「バグ取り」は避けて通ることのできない重要任務だ。 しかもバグ取りは、時間・労力・根気・経験の全てを必要とする重労働である。 そこでこの面倒くさい作業を、人間ではなくコンピュ…

自転車回転走法

最近は自転車通勤が流行っているようだ。 かく言う私も自転車通勤であり、会社までの道すがら、私と同じような自転車通勤族をよく見かけるようになった。 交通安全やマナーの問題からとやかく言う人もいるが、大局的に見れば健康的で環境にやさしく、お金も…

痛い、痛すぎるお話

[注意!] 以下の文章には、痛みを伴う表現が含まれています。 そういうのが嫌な人は見ないでね。病院の話が出てくるよ。 - 過去に最も「痛かった」体験は何ですか? 私の場合「水いぼ」である。 水いぼとは、よくプールなどで染る、ぷちっとした小さないぼの…

自分の給料を知らない人

およそまっとうに働いてながら「自分のもらっている給料がいくらなのか知らない」人はいるだろうか? 実は、ここにいる。 私がそうである。 私とて、もう充分なお金があって数える必要が無い、というわけではない。 単に頓着しないだけだ。 このことをあまり…

多世界宇宙の構造(デイヴィッド・ドイチュ)

デイヴィッド・ドイチュと言えば、知る人ぞ知る量子コンピューターの提唱者である。 ドイチュによれば、量子コンピューターとは並列する多数の宇宙で計算するシステムのことらしい。このSF的な発想がすばらしいと思ったので、もとの論文にあたってみた。 「…

油滴鍋の天下統一

私の好きな料理の1つに「鳥モモの蒸し焼き」というのがある。 大きな鍋に醤油とコショウ、鳥のモモ肉を入れて蒸し焼きにする。 子供の頃これが好きで、親に作ってくれとせがんだら、 「なんでこんな簡単な料理が好きなんだろう」 みたいなことを言われた。 …

ナマコの海 クラゲの海

地球上で最も繁栄している生物は何だろうか。 人間? アリ? シアノバクテリア? 様々な意見があるかと思うが、私はひょっとすると「ナマコ」ではないかと思っている。 ナマコは実にいろんな海にいる。 最近は便利になったもので、日本から南太平洋の島々ま…

ステルス・ティーカップ

コーヒー、紅茶の楽しみの1つは、かき混ぜた水面にミルクをたらすひとときである。 まず、お茶をスプーンでかき混ぜて回転させておく。 そこに、細く、静かに、ミルクを注ぎ入れると、水面上に美しい渦巻き模様が広がる。 複雑な渦巻き模様が流動しながら、…

地球マグロの反転

東京ディズニーランドの1つ隣の駅に「葛西臨海水族園」がある。 この水族館の目玉は、巨大なマグロの回遊槽。 建物全体の外壁がドーナツ型の巨大な水槽になっていて、 その中を大型マグロの群れが、ゆうゆうと泳ぎ回る。 思わず時を忘れて見入るほどの壮観…

ゴキブリ

ちいさなおんなのこが、 「ゴキブリは なんにも わるいこと してないんだよ」 といって、 ゴキブリホイホイにかかっていた ゴキブリを にがしてあげていた。 「ゴキブリは かわいそうな むしなんだよ、 だって、みんなが ころそうとするから」 こころうごか…

まあるいビッグバン

人間のDNAの情報量は、ビット単位に換算するとどの程度だろうか。 人間のDNAはおよそ30億塩基対。 塩基は A,T,C,G の4種類あるので、情報量は 4^30億 = 2^60億 = 60億Bit。 6,000,000,000 bit / 8 = 750,000,000 = 750 MByte なんと、たった CD-ROM1…

円周率に隠された神からのメッセージ

円周率とは実に不思議な数である。 3.14159265358979... という後に、無限に終わることのない数列が続くのだ。 この無限に続く数列の中には、探せばおもしろいパターンがいくつも見つかる。 『ぼくには数字が風景に見える』[D.タメット]{講談社} という本の…

私感:科学の聖典

この世には、(おそらく)最初は人の手によって書かれたのだろうが、 その内容の奥深さ、人類と歴史に与えた影響の絶大さからして、 すでに人間の手を離れて神格化した著述がいくつか存在する。 いわゆる「聖典」である。人類の文明は、いわゆる「4大文明」…

貧乏/金持分布に挑んだプロジェクト

初出: 2007/05/23 - ※ このメモは、とある場所で研修セミナーに用いた資料です。 ※ 前出の、「統計分布の基礎 -- 貧乏/金持分布」 ※ http://brownian.motion.ne.jp/memo/TheRichAndPoor.txt ※ の続きにあたるメモです。 - ● 次元を増やす・気体分子の速度分…

統計分布の基礎 -- 貧乏/金持分布

初出: 2007/04/26 - ※ このメモは、とある場所で研修セミナーに用いた資料です。 ※ 「100人の村でランダムにお金を交換したら?」 ※ http://brownian.motion.ne.jp/memo/Binbou.php ※ 「幸せな時間・不幸な時間」 ※ http://brownian.motion.ne.jp/memo/Ha…

科学の力で怠けよう!

※この文章は、先に書いた 「お金の要らない世の中、働かなくても良い世の中、勉強しなくて良い世の中」 http://d.hatena.ne.jp/rikunora/20080420/p1 の続編です。 - 「お金の要らない世の中、働かなくても良い世の中、勉強しなくて良い世の中」は、 今、人…

お金の要らない世の中、働かなくても良い世の中、勉強しなくて良い世の中

古来より、人間にはどれほど願っても叶わぬ夢が3つあるという。 錬金術、不老不死、永久機関である。 特に3つ目の永久機関は、このサイト作成に至る当初の原動力ともなっていた。 しかし、やはり永久機関は、依然叶わぬ夢のままである。 たとえこのサイト…

不完全世界征服マニュアル

- 注意! ここに記された内容は、くれぐれもトップシークレット扱いにしていただきたい。 もし本マニュアルが、野望を抱く某国大統領や、 ○ASAの連中に知れ渡ったら取り返しの付かないことになるので。。。 - 今から最短経路で、世界征服を行う具体的な方法…

量子力学のつまずきの石

とにかく量子力学という学問はわかりにくい。 実体が厚い数学のヴェールに隠れていて、直感的なイメージを把握することができない。それでいてシュレーディンガーの猫だとか、テレポーテーションとか、 断片的な知識だけが跳梁跋扈し、どこまでが本当なのか…

死後の世界、あるいは天才の作り方

ずいぶん昔の話となるが、かつて私の通っていた幼稚園は、 教会が運営していたところだった。 そこで幼いころ、私はこんな話を聞いた。「誰も見ていないと思っていても、神様はちゃんと見ています。 良いことも、悪いことも。 いつも良いことをしてきた人は…

ハロー、エイリアン (Hello, Alien)

宇宙には、私たちの他に知的生命体が存在するか? >> wikipedia:フェルミのパラドックス 「フェルミは、もしこの銀河に多くの異星の文明が存在するならば、 宇宙船、探査機やラジオ波などの証拠が全く発見されないのはなぜなのかと問うた。」 これに対して、…

人類最後の発見・発明

思えば人類は長い歴史の中で、実に様々なものを生み出してきた。 特に、近代科学が生まれてこのかた、ここ数百年の間、 人類の歴史は、発見、発明のオンパレードといってよい。 いったいこの勢いはどこまで続くのだろうか。 人類の未来は、どこまでも果てし…

トランプによる多世界解釈

でたらめに混ぜたトランプから5枚のカードを抜き出したとき、 それがロイヤルストレートフラッシュである確率はどのくらいだろうか。 52枚のトランプから5枚だけ抜き出す方法は (52*51*50*49*48) / (5*4*3*2*1) = 2598960 通り。 ロイヤルストレートフラッ…

ルービックキューブに宿る悪魔

ルービックキューブのパターン数は 43,252,003,274,489,856,000通り (4325京 2003兆 2744億 8985万 6000)だそうだ。 仮に1秒に1パターンずつ実現すると、全てを一巡するのに約1.37 * 10^12 年 = 1兆3千7百億年かかる。4×4×4 の「ルービックリベンジ」は…

(4) 物理や数学の理論など何の役にも立たない

以下は「電磁気学は間違っていた?! 〜 新・電子論」に対する反論です。 - * 論点4:物理や数学の理論など無用の長物。 * 実社会の現場には何の役にも立たない。 残念ながらこの論点に関して言えば、私は明確に反論の根拠を持っていない。 反論するどころ…

(3) 学者は互いにつるんでイビツな世界を作り上げている

以下は「電磁気学は間違っていた?! 〜 新・電子論」に対する反論です。 - * 論点3:数学者と物理学者は互いにつるんで、 * 自分たちだけにしか理解できないイビツな世界を作り上げている。物理や数学に明るい人であれば、「何を世迷い事を」と鼻先で笑う…

(2) なぜ マイナスxマイナス=プラス となるのか

以下は「電磁気学は間違っていた?! 〜 新・電子論」に対する反論です。 - * 論点2:なぜ マイナスxマイナス=プラス となるのか。 * それは数学者がでっち上げた「決めた者勝ち」のルールなのか。最も簡単な説明。 「反対の反対は、もとに戻る。」 「裏…