2008-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ドキドキ時間の最適配置

『ゾウの時間ネズミの時間』という、たいへんおもしろい本がある。 ゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学 (中公新書)作者: 本川達雄出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1992/08/01メディア: 新書購入: 26人 クリック: 1,301回この商品を含むブログ (171…

エーテル海のヨット

ヨットはなぜ風上に遡ることができるのか、不思議だと思わないか? 海辺を見渡しても、あるいは陸上であっても、自然に風と反対方向に走って行く物体を見たことがない。 ヨット以外は。 子供のころ、「全方位風力船」なるものを考案したことがある。 船の上…

フリップフロップはどのように動くのか

デジタル論理回路を学ぶとき、最初の難関となるのが「フリップフロップ回路」であろうと思う。 デジタル回路の基本素子である AND回路、OR回路、NOT回路 については、さほど難しくは感じないであろう。 ところが、たった2個の NAND回路(NOT+AND回路)を組…

チューリングマシンは何を示したのか

コンピューターの歴史をたどると、その理論的な原点として「チューリングマシン」にたどり着く。 1本の記録テープと1個の有限状態機械から成る、この仮想的な装置を知る人は少なくないかもしれないが、チューリングがどのような意図で「チューリングマシン…

不完全性定理の最短理解

コンピューターに携わっているものにとって、プログラムの間違い探し、「バグ取り」は避けて通ることのできない重要任務だ。 しかもバグ取りは、時間・労力・根気・経験の全てを必要とする重労働である。 そこでこの面倒くさい作業を、人間ではなくコンピュ…

自転車回転走法

最近は自転車通勤が流行っているようだ。 かく言う私も自転車通勤であり、会社までの道すがら、私と同じような自転車通勤族をよく見かけるようになった。 交通安全やマナーの問題からとやかく言う人もいるが、大局的に見れば健康的で環境にやさしく、お金も…

痛い、痛すぎるお話

[注意!] 以下の文章には、痛みを伴う表現が含まれています。 そういうのが嫌な人は見ないでね。病院の話が出てくるよ。 - 過去に最も「痛かった」体験は何ですか? 私の場合「水いぼ」である。 水いぼとは、よくプールなどで染る、ぷちっとした小さないぼの…

自分の給料を知らない人

およそまっとうに働いてながら「自分のもらっている給料がいくらなのか知らない」人はいるだろうか? 実は、ここにいる。 私がそうである。 私とて、もう充分なお金があって数える必要が無い、というわけではない。 単に頓着しないだけだ。 このことをあまり…

多世界宇宙の構造(デイヴィッド・ドイチュ)

デイヴィッド・ドイチュと言えば、知る人ぞ知る量子コンピューターの提唱者である。 ドイチュによれば、量子コンピューターとは並列する多数の宇宙で計算するシステムのことらしい。このSF的な発想がすばらしいと思ったので、もとの論文にあたってみた。 「…

油滴鍋の天下統一

私の好きな料理の1つに「鳥モモの蒸し焼き」というのがある。 大きな鍋に醤油とコショウ、鳥のモモ肉を入れて蒸し焼きにする。 子供の頃これが好きで、親に作ってくれとせがんだら、 「なんでこんな簡単な料理が好きなんだろう」 みたいなことを言われた。 …

ナマコの海 クラゲの海

地球上で最も繁栄している生物は何だろうか。 人間? アリ? シアノバクテリア? 様々な意見があるかと思うが、私はひょっとすると「ナマコ」ではないかと思っている。 ナマコは実にいろんな海にいる。 最近は便利になったもので、日本から南太平洋の島々ま…

ステルス・ティーカップ

コーヒー、紅茶の楽しみの1つは、かき混ぜた水面にミルクをたらすひとときである。 まず、お茶をスプーンでかき混ぜて回転させておく。 そこに、細く、静かに、ミルクを注ぎ入れると、水面上に美しい渦巻き模様が広がる。 複雑な渦巻き模様が流動しながら、…

地球マグロの反転

東京ディズニーランドの1つ隣の駅に「葛西臨海水族園」がある。 この水族館の目玉は、巨大なマグロの回遊槽。 建物全体の外壁がドーナツ型の巨大な水槽になっていて、 その中を大型マグロの群れが、ゆうゆうと泳ぎ回る。 思わず時を忘れて見入るほどの壮観…