放射能除去にナノテクを

「地雷探知除去ロボット」というものをご存じでしょうか。
戦地に取り残された地雷をセンサーで自動的に探り当て、安全に処理を行うというスグレモノのロボットです。
* 地雷探知除去ロボット
>>http://www-coe21.sms.titech.ac.jp/Japanese/Research/robot.html
* 地中レーダー搭載バギーから小型核融合まで
>> http://robot.watch.impress.co.jp/cda/news/2006/07/06/72.html
実はこの「地雷探知除去ロボット」のナノテクノロジー版製作プロジェクトが、現在、日本分子機械学会で進行中です。
「ナノテク放射能探知除去ロボット」、地中に埋もれた放射性元素を探し当て、除去するという、驚愕の分子マシン。
先日の原発事故を受けて、急速に立ち上げられたプロジェクトなのだそうです。

いまさら言うまでもなく、今日のナノテクノロジーには目を見張るものがあります。
その筆頭に挙がるのは「ナノカー」でしょう。
* 時速はナノメートル:分子でできた世界最小の車『ナノカー』、動画
>> http://wiredvision.jp/news/200902/2009020623.html
* ナノカー発進! -- 有機化学美術館
>> http://www.org-chem.org/yuuki/mow/0510/nanocar.html
>> http://www.org-chem.org/yuuki/mow/2006/nanocar2.html
「髪の毛の太さの約2万分の1」、実際に走ることが確認されています。
次に驚きなのは、「分子ペンチ」。
長さ3nm、幅1nmで、ウィルスの10分の1程度の大きさ。
紫外線を当てると開き、分子を「掴む」ことが可能です。
* 情報を取捨選択できる新しい物質をつくる
>>http://www.riken.go.jp/r-world/info/release/news/2009/jun/frol_02.html
* 大きさはウィルスの10分の1! 極小ペンチで何つかむ?
>> http://www.kagakunavi.jp/document/show/79/news

さて、今回計画された「ナノテク放射能除去ロボット」は、
基本的には上記2つのナノテクノロジーを合体させた分子ロボットだということです。
つまり、ナノカーの上に分子ペンチを搭載して「ナノ・クレーンカー」を作ろうというもの。
さらに、分子ペンチの後ろには、拾い集めた放射性物質を閉じこめるための
「分子ケージ」を付加しようという計画まであります。
つまり「荷台付きナノ・クレーンカー」のイメージですね。
分子ケージには、クラウンエーテル、又はポルフィリン環といったものが候補に挙げられています。
* クラウンエーテル -- 有機化学美術館
>> http://www.org-chem.org/yuuki/crown/crown.html
>> wikipedia:ポルフィリン

この分子ロボットを大量に合成して、放射性物質で汚染された地域に散布する。
すると、分子ロボットは自発的に活動して放射線源を探り当て、放射性物質の回収に向かいます。
放射性物質にぶつかると、分子ペンチで掴んで回収し、荷台の分子ケージに放り込む。
このようにして放射性物質を回収した分子ロボットは、その後、化学的な手段によって容易に回収できるのだそうです。
計画では、分子ロボットが放射性物質を回収した頃合いを見計らって、今度は分子ロボットの吸着剤を散布するとのこと。
吸着剤は、活性炭か、シリカゲル。
で、最後にこの吸着剤を掃除機で回収すれば、放射能汚染の除去完了というわけです。

なお、この分子ロボットを動かすエネルギー源はどうするかという話なのですが、
今回のケースではガソリン代わりに放射線を用いようという提案が為されています。
センサー物質が放射線をキャッチすると同時に構造変化を引き起こし、
放射線を化学的なエネルギーに変換して蓄積するのだそうです。
あるいは、いっそ「マックスウェルの悪魔」を動力源として利用してはどうか、といった提案まで為されているそうです。
* Maxwell悪魔の実
>> http://www.phys.chuo-u.ac.jp/j/muneyuki/?%5BMaxwell%27s+Demon%5D
* 甦るMaxwellの悪魔
>> http://brownian.motion.ne.jp/
・・・さすがにここまで来ると、ちょっと嘘臭いかな。
だって、

今日は4月1日だから! \(^o^)/


まじめな話、日本は国を挙げてこういうナノテクロボットを作るべきではないのかな。
* これは!コスモクリーナーじゃないのか!
>>http://ameblo.jp/mori-arch-econo/entry-10844716373.html
今こそ科学技術力の底力が問われるときだ!