東京→青森ロングライド

去るシルバーウィークに、東京から青森まで自転車で行ってきた。
天候に恵まれ、トラブルも無く、最高のコンディションで走ることができた。


 日時: 2015/9/19(土) 5:10 〜 9/20(日) 15:01
 距離: 726km  時間: 33時間 51分


ルートラボの記録
 前半:日本橋〜仙台手前 >> http://yahoo.jp/TMj7pN
 後半:仙台手前〜碇ヶ関 >> http://yahoo.jp/RJ79HC

前半はサイコンの電池が切れるまでの記録。
後半で予備バッテリーに切り替えたが、青森の手前、碇ヶ関で電池切れとなった。
なので、最後の記録が欠けている。
(携帯1回分の小さい予備バッテリーだと、最大31時間までしか持たないことが分かった。)

■ 到着時のタイム

腕時計のタイマーは24時間で一巡して、プラス 9:48:08 だった。
ただ、出発時に腕時計のタイマーをセットし忘れ、3分経ってから測り始めたので、
実際にはこれに3分ほどプラスされている。
後から記録を照合したところ、腕時計はサイコンの時計より2分ほど進んでいた。
(腕時計で5:10に出発したのだが、GPS記録での出発時刻は05:08:37だった。)

■ 事の起こり

ロングライドに向く季節は1年に2回ある。
春のゴールデンウイークと、秋のシルバーウィークだ。
昨年の秋、東京->大阪キャノンボール24時間に成功したので、
今年は逆向きの大阪->東京キャノンボールに挑戦しようと目標に決めていた。
しかし今年の前半は何かと忙しく、ゴールデンウイークにまとまった休みがとれなかった。
このブログもさぼりまくりだ。
それでも自転車の練習時間だけは何とか確保し、来るべき挑戦に向けて準備を重ねてきた。


しかしである。
いざ、キャノンボール再挑戦を持ち出したところ、家族から猛反対を食らった。
何を好き好んで、危険の多い国道1号を何度も走らなければならないのか。
結局、今後の国道1号走破は一切禁止となった。
代わりに、国道4号ならOKということになった。
どういう基準なのかよくわからないが、とにかく結果オーライである。
目標を青森に定め直し、東京->青森走破を目指すことにした。


東京-青森間の走破記録をネットで調べると、baruさんと酔猫庵さんがレポートを残している。
* [Cycling Courses] 東京⇔青森 耐久ラン
>> http://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=11242&forum=124
 ("ロングライダース4.0"に記事あり)
* 一杯のラーメンを求めて青森へ 準備編
>> http://plaza.rakuten.co.jp/pluginok/diary/201308190000/


東京-青森は、東京-大阪のおよそ1.5倍。
東京-大阪を24時間とすると、東京-青森はざっと36時間になる。
そう考えると、baruさんの向かい風で36時間05分、
酔猫庵さんの真夏の炎天下で38時間17分、というのはすごい記録である。
私の場合はきっちり時間を決めず、まあ40時間くらいでたどり着ければ良いだろう、
といった楽な気持ちで臨んだ。結果的にはそれが良かった。


コースはbaruさんのほぼ逆を辿った。
国道4号を全線たどるよりも、盛岡を過ぎてから国道282に入り、鹿角経由で行った方が距離が短い。
国道4号は、ほとんど全てバイパスを通った。
ただし、草加・越谷は県道49号を、仙台は市内を通過した。
※ 仙台旧道の場合、泉区役所の先にある県道22号のトンネルは、自転車が通ることができない。
※ トンネル脇にある階段を上って、上から越すことになる。今回唯一のコースミス。


出発前日に、着替えと輪行袋をまとめて青森中央郵便局に局留めで送った。
輪行袋を持って行くかどうか迷ったが、今回は連休だったので、
最悪3〜4日かけてたどり着けば良いだろうと考え、携行しなかった。

■ 休憩ポイント

休憩回数は全部で16回。観光とか、写真撮影とか、一切行っていない。

・スタート時の携行食糧
   おにぎりx3、PowerBarx3、ミニういろうx2、ウィダーインx1、ココナッツキャラメル、塩分チャージタブレッツ少々
・【休憩】埼玉県内にて
   ボトル給水
・【自販機】西那須ドライブイン幸楽苑」にて
   オレンジミュウx2->1本飲んで、1本ボトルへ
・【コンビニ】ファミリーマート鏡石境栄店、12:57
   おにぎりx2、天然水オレンジx2->1本飲んで、1本ボトルへ
・【自販機】白石市 馬牛沼
   スポーツレモンx1、ボトル給水
・【コンビニ】セブンイレブン宮城大衛店、20:21
   おにぎりx1、焼きプリンx1->その場で食べた、グリーンダカラx2->1本飲んで、1本ボトルへ
・【仮眠】ローソン高清水新小山田店の向かい駐車場、21:43〜21:55(12分間)
・【仮眠】平泉バイパス、県道206橋のたもと、23:42〜24:00(18分間)
・【仮眠】金ヶ崎「ドライブイン民宿鈴美食堂」ベンチにて、1:16〜3:00(1時間44分)
・【道の駅】石鳥谷
   夜明け。お尻にクリームを塗り直す
・【コンビニ】ローソン盛岡上堂店、6:21
   ミニあんぱんパック、パーフェクトプラスx1->その場で食べた、おにぎりx1->最後まで食べずに残った
・【道の駅】にしね、7:11〜7:25(14分)
   Hotコーヒー -> 休憩したら体力復活!
    (仮眠の合計 2時間28分)
・【自販機】安代「学校の宿 希望の丘」入口付近
   缶コーヒーx1、残りミニあんぱんを全部食べた
・【道の駅】鹿角
   エネルゲンドリンクx1
・【休憩】坂梨峠手間、小坂JTC付近
   ずっと持っていたウィダーインを食べた
・【道の駅】碇ヶ関
   ボトル給水
・【自販機】浪岡郵便局前
   缶コーラx1


■ 自転車

チネリ・スーパーコルサ
アルテグラ(9段)
ホイール: DURA-ACE C24
タイヤ: MAVIC イクシオン(GripLink&PowerLink)
エアロバー: プロファイルデザイン T2+ COBRA を装着

前方ライト: CATEYE VOLT300, GENTOS 閃 355B の2本
後方ライト: CATEYE RAPID 5
さらに、夜間ジョギング用の“光る腕輪”と、小型の発光警告ランプ
サイコン: ユピテル ASG-CM13
ハンドル周りに、携帯電話と予備バッテリー
(エアロバーに、ソフトケースとマジックテープで取り付けた)

■ ツールケースの中身

アーレンキー、予備チューブ、インスタントパンク修理パッチ、携行ツールセット、予備クリートねじ、
マイナスドライバー、小型プライヤー、タイヤレバー、ビニールテープ。

■ ウェストバッグの中身
メガネ(昼間はサングラス、夜間はメガネに切り替え)
イカカード(コンビニ用)
小銭用サイフ
ビニールケース(中身は保険証、カード、郵便局の荷物受取票、大きなお金[札])
キャラメル、塩分チャージタブレッツ
おにぎり(包装を剥いてジップロックに入れておく、すぐ食べられるように)
小型ハンドクリーム(お尻に塗って擦れを防止)

トップチューブケースの中身
常に食糧を入れておいて、信号待ちなどで食べている。
パワーバー、ミニういろう、ミニあんぱん。

■ 小型サドルバックの中身

反射ベスト、予備チューブ、予備クリート
レスキューシート(今回大活躍した一品)
タイヤ補修用パッチ(実際持って行ったのは1枚だけ)

■ 服装

ロングライダースジャージ(キャノンボールの験を担いで)
反射タスキ(いつでも目立つように)
ウェストバッグ(反射テープ付)
パールイズミのタイツ、アームカバー、靴下
手袋は2重にした。

出かける直前に床屋に行って、髪を短く刈った。
去年、キャノンボールの前にも行ったように、今年も「断髪式」を行って気合いを入れた。

■ 感想

とにかく長い。ひたすら長い。どこまでも長い。東北、めちゃくちゃ長い。


天候、気温、交通状況など、あらゆる条件が上手く整っていた。ラッキーだった。
気温は16〜22度の間、昼間はずっと爽やかで、暑くも寒くも無い絶好のコンディションだった。
風は、西から東への横風で、向かい風になることはほとんど無かった。
福島から仙台に出るまでは追い風基調、最後の青森に入ったところだけ斜め向かい風だった。


ただ、夜は寒かった。東北の夜を甘く見ていた。
残暑を予想して防寒具を一切持っていなかったので、かなり堪えた。
ここで役に立ったのが、防災用のレスキューシート。
反射ベストの下にシートを羽織ってみたところ、とても暖かく具合が良い。
仮眠の際には、シートに包まると寝袋のように快適だった。
これは使える。災害時にも大活躍しそうだ。
折り畳めば小さく軽いので、今後は必ず持って行くことにしよう。


最も辛かったのは明け方の盛岡付近。
睡眠不足でヘロヘロ、時速20kmがやっとという状態だった。
もう飽きた、ここで温泉に浸かって休んだら、どれほど幸せだろうと、何度思ったことか。
それでも這うように前進し、道の駅「にしね」に倒れるように転がり込んで、そのままストンと眠りに落ちた。
次に目が覚めたときには、眠気がすっきり晴れていた。
時間にして10分程度だったのだが、いままでの疲れがウソのように、再び走り出すことができた。
やはり、夜寝て、昼に活動する、というのが自然な周期なのだと思った。


ロングライドは後になればなるほど辛くなる。
国道282に入ってからは、上り坂に苦しめられた。
安比高原の登りは覚悟していたが、その後に続くアップダウン、特に坂梨峠は涙ものだった。
峠で青森県の看板を見たとき、ようやくたどり着いたという実感が湧いた。
最後の最後に、青森空港への登りがあると知ったときは愕然とした。
この辺になると、本当にもうどうにでもなれといった状態。
残る全ての力で空港を越え、青森の街並みが見えたときに思ったのは、
「もうこれ以上走らなくてもいいんだ!」ということだけだった。


我ながら、よくぞ走り切れたものだと思う。
しかも、結果的にここまで良いタイムで完走できるとは思わなかった。
走っている途中、特に後半は、長い、辛い、もう走りたくない、しか思い出すことが無い。
こうして後から振り返ってみて、ようやく感慨が湧いてきた。


一体何が楽しいのか、と問われると難しい。
もはや習慣でやっているのだ、としか答えようが無い。
それでもきっとまた、来年もどこかに行くと思う。何やってんだろう。