1=2の証明

ウィキペディアのパロディで、「アンサイクロペディア」というサイトがあります。
私はここで知りました。
* とね日記 : アンサイクロペディア
>> http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/f3a04536f91c9fcbeb161eb2c1c86490
このアンサイクロペディアの中に「1=2」という記事がありました。
1=2 であるという、数々の“証明”を記した、秀逸な記事です。
* アンサイクロペディア : 1=2
>> http://ansaikuropedia.org/wiki/1%3D2
これはおもしろい、というわけで、ここでも負けずに 1=2 の証明を考えてみることにしました。

* 全単射による証明
2つの集合が同値であるとは、二つの集合の間に全単射が存在することである。
つまり、等しいということは、落ちや重なりがなく、1対1に対応できる、ということである。
長さ1の棒と、長さ2の棒を用意する。
この2本の棒の上の1つ1つ点について、図のように1対1の対応付けを行う。

確かに、2つの棒上の点は1対1に対応付けられる。
つまり、長さ1の棒の上にある点の集合と、長さ2の棒の上にある点の集合は等しい。
よって、1=2。
既にお気付きのことと思うが、ここには何も長さが1と2でなければいけない、という制限はない。
1:10でも、1:999999でも、何でもよい。
それどころか、1:∞であっても構わないのだ。

つまり、あらゆる数は等しい。

* 確率による証明
次の確率の問題を考えてみる。
「ある円に任意の弦を引いたとき、その長さが、円に内接する正三角形の一辺より長くなる確率はいくらか?」
解答その1:
任意の弦に対して垂直な直径を引く。
その直径の上で、弦の長さが正三角形の一辺より長くなる範囲を考えてみれば、
求める確率は 1/2 となる。

解答その2:
任意の弦の角度が、図の正三角形の中に入っている範囲を考えてみれば、
求める確率は 1/3 のはずだ。

上の解答その1、解答その2は、どちらも一理あって、いずれも正しい。
よって、1/2 = 1/3。
2 = 3 。
両辺から 1を引いて、1=2。
上の問題は、有名な確率のパラドックスとして知られています。
* ベルトランの逆理
>> http://onohiro.hp.infoseek.co.jp/amanojack2/a/kisokaku038.htm

* 素粒子による証明
素粒子の世界では、対生成、対消滅、といった現象が観測されている。
1個の光子が電子と陽電子に変わったり、逆に、電子と陽電子が光子に変わったりする。
つまり1=2,また、2=1。
ちなみに、「ふしぎの海のナディア」に登場する万能潜水艦ノーチラス号は「対消滅機関」で動いているらしい。

* 関連記事: なぜ1+1=2になるのか [id:rikunora:20080918]