Think Different 未満

iPhoneiPod で何かと話題の Appleだが、その Appleが少し以前、こんな広告を出していたことをご存じだろうか。
 「Think different」
まだ見たことがない人は、今すぐ見てみよう。
昔見たことがあるクレイジーな人は、いま一度これを見て魂を奮い起こそう。

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 ・クレイジーな人たちがいる
 >> http://jp.youtube.com/watch?v=jIStLfVfwNg

クレージーな人たちがいる
反逆者、厄介者と呼ばれる人たち
四角い穴に 丸い杭を打ちこむように
物事をまるで違う目で見る人たち


彼らは規則を嫌う 彼らは現状を肯定しない
彼らの言葉に心をうたれる人がいる
反対する人も 賞賛する人も けなす人もいる
しかし 彼らを無視することは誰もできない
なぜなら、彼らは物事を変えたからだ
彼らは人間を前進させた


彼らはクレージーと言われるが 私たちは天才だと思う
自分が世界を変えられると本気で信じる人たちこそが
本当に世界を変えているのだから

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 ・Think Different (英語)
 >> http://jp.youtube.com/watch?v=rRTM0jJnjlw

Here's to the crazy ones.
The misfits. The rebels. The trouble-makers.
The round pegs in the square holes.
The ones who see things differently.
They're not fond of rules, and they have no respect for the status-quo.
You can quote them, dis-agree with them, glorify, or vilify them.
But the only thing you can't do is ignore them.
Because they change things.
They push the human race forward.
And while may some see them as the crazy ones, we see genius.
Because the people who are crazy enough to think
they can change the world, are the ones who do.

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ううっ、何度見てもいいPVだ。
これを見る度に「俺もクレイジーになろう」という気持ちが湧き起こる。
そしてクレイジーな人たちの姿を我が身に投じたとき、ビデオでは見落としがちな重要な点に気付く。
それは、「彼らを無視することは誰もできない」という一文にある。
「反逆者、厄介者と呼ばれる」のは、落胆すべきことではなく、むしろ望む所なのだ。
反逆者、厄介者と呼ばれるまでになれば、成功への道程は半分まで達成したのだと言える。
少しでも意見を持つ人ならわかると思うが、自ら発したオリジナルの意見がすんなり通ることは、非常に希なことだ。
最初から相手も同意見を有していた場合と、利害が一致していた場合を除いて。
だから、厄介がられる過程に達したのは、無視できないレベルまで意見が成長した、ということなのである。

よほど強く主張されない大抵の意見は、厄介がられることすらない。
厄介以前の段階とは、単に無視されることだ。
反対されるということは、少なくとも聞いて、取り上げてくれたのだ。
取り上げてさえもらえれば、ある意味ほとんど「勝ち」なのである。
少々セールスっぽい言い方だが、一番大事にすべきなのは商品のファンである「優良顧客」。
その次に大事で、実は最もテコ入れすべきなのは商品をムチャクチャけなす「アンチ顧客」である。
それほどまでに熱を入れて反対する、ということは、その商品に非常に高い関心を持っているということだ。
だから「アンチ顧客」はテコ入れすれば、ひょっとすると「超優良顧客」に寝返る可能性がある。
ツンデレのようなものである。
「フーン、まあまあいいんじゃない」みたいに可もなく不可もない返事が返ってきたときは、実はほとんど脈が無い。

最低の段階とは、反対されることではなく、無視されることである。
複数人の聴衆の前でしゃべるとき、一番やりにくいのは、会場がシーンと静まりかえって無反応なときだ。
聞いているのか、不満なんだか、受けているのか、全く把握できない。
ギャグの1つでも受けてくれれば、非常に話しやすい。
それでなくても「ツマンネ」の一言でも返ってきた方が、無反応よりは俄然やりやすい。
ブログなり、ホームページなりを持っている人であれば実感できるだろう。
最低の状態とは、無反応なのだ。

「みんなが反対ばかりする」と言って悩める人は幸いである。
みんながちゃんと意見を汲み取って、高い関心を示しているからだ。
最低の状態は無反応。
その次に悪い状態は、特に目立った反対もなく、みんなが「まあいいんじゃない」といったヌルい賛成で終わる場合だ。
いや、むしろ全員がヌルい賛成で終わる方が最低なのかもしれない。
一見すると平和に意見がまとまったようで、実はあなた意外の全員が本気で関心を持っていないからだ。

何にせよリアクションが返ってくるのは、それだけで嬉しいものだ。
必ずしも賛同でなくてもよい、猛反対でも良い、「ツマンネ」の一言だって構わないのだ。


 ・・・べ、別にコメントして欲しいんじゃないんだからねっ!