給付金は寄付しよう

まもなく定額給付金が給付される。
給付金についてはいろいろあるけれど、概ね愚策だという人が多い。
中にはきっぱり受け取らない、という人もいる。
それはそれで、立派な決意だと思う。
でも、単に受け取らないだけだと、せっかく手にした「お金の使い道」という
選択権を誰かにゆだねてしまうことになる。
その誰かというのは、いつもみんなが文句をたれる高級官僚だったりするわけだ。
だったらしっかり受け取って、自分の意志で、自分の信じるものにお金を出せばいい。

たとえば君が、給付金を大好きなアニメのDVDに投じたら、それだけアニメ業界がうるおう。
その結果、明日の日本はアニメ大国になるだろう。(あまりにも例が個人的ですか?)
あるいは、このお金でパァーっとどんちゃん騒ぎすれば、きっと飲食業界がうるおう。
その結果、明日の日本はそういう国になる。
あるいは、最新のデジタル機器を購入すれば、そういった電子産業界がうるおう。
ファンになっているサッカーチームに投じれば、チームがうるおう。
何に金を使ったら、どこがうるおうのか、わかるでしょ。
実はそれが最大の意思表示なのだ。
今の世の中、金を出すということが、最大の賛同であり、最大の意思表示なんだ。

口を出すだけ、というのは、実のところたいした意思表示にはなっていない。
口ではかっこよく、弱者の支援だ、環境だ、教育支援だ、といいつつも、
実は一円も金を出さず、こっそり自分のためだけに貯金する。
これが一番かっこわるいし、何の説得力もない。
中身のない説得なんて、いらない。
ご高説はいいから、金を出せ。

給付金はとんでもない間違いだ、と論じる人がいる。
「無目的にお金をばらまくくらいなら、そのお金を○○○」
この○○○には、その人が日頃信じている何かが入る。
たとえば、
ベンチャービジネス育成に投じるべきだ。
ワーキングプアやホームレス、ニートを支援すべきだ。
・教育や、研究費に回すべきだ。
・環境対策に回すべきだ。
・子供たちの未来に回すべきだ。
などなど。
そこまで言うのであれば、政府にやってもらうのではなくて、
もらった給付金を、直接その○○○に寄付すればいい。

人がお金を何に使うのか。
お金の使い道。
実のところ、これが一番本音に近くて、最も直接的に国民の意思が反映されるものなのではないか。
ある意味、お金は、選挙の一票より公平で、重い。
そう考えると、給付金というのは、みんなが言っているような愚策ではなくて、
本来であれば最も民主的な政策だったのだという気がしてくる。
つまり、政府の決定権を国民にばらまくのだからね。

仮に国民のほとんどが給付金を、日頃行えなかったような社会支援や、環境に投資したとしたら・・・
日本は本当にすごい国になる。
そうしたら、世界に誇ってもいいんじゃないか。
そうではなくて、もし国民のほとんどが給付金を、なんだかんだで目先の消費と快楽に振り向けたとしたら・・・
はっきり言って日本はダメダメだ。
本気でどこかに移住することを考えないといけない。
つまるところ、私たちの給付金の使い方が、この国の未来を決めるわけだ。
2兆円あれば、世の中を変えられる。

少しだけ経済の話をすると、「貯金は悪」だと言われている。
貯金すると、お金が回らなくなるから。
実際には、たとえば銀行に貯金したとすると、たまったお金はあなたに代わって銀行が運用することになる。
もし銀行がどこかの企業に融資すれば、あなたは間接的にその企業を助けたことになる。
この場合、あなたは銀行の融資係に「お金の使い道」をゆだねたことになるわけだ。
銀行と、銀行が融資しそうな企業を応援するなら、それも良いだろう。
でも、もし明確な自分の意見を持っているなら、銀行の融資係に任せるよりも、
自分の手で、自分のお金の使い道を決めた方がずっと能動的だ。

で、すぐに使い道が思い浮かばないという方へ。
世の中には、お金を必要としている団体が、たくさんある。
そういった団体の中から、自分の意見、理想にかなったところに、お金を寄付すればいい。
たとえば自分の母校に寄付する、なんていうのはどうだろう。
必ずしも全額寄付する必要はない。
半分は寄付して、残りの半分は自分へのご褒美、というのだっていいんじゃないか。
また、全額を1カ所に寄付する必要もない。
気に入った複数の団体に、少しずつ分割して寄付してもいい。
募金の掲示を出していないところであっても、説明して直接お金を送れば、たいていイヤとは言わないだろう。

ネット上を調べたら、ホリエモンがこんなことを言っていた。
 * 定額給付金はどうしてもやりたいみたいなので・・・仕方ないから、
 >> http://ameblo.jp/takapon-jp/entry-10163645915.html
私はホリエモンという人をメディアの上でしか知らないが、
この一点に関してはホリエモンの意見にかなり賛成だ。
意見が異なるのは、いまさら新しいNPOを設立するのは大変なので、
現実的に、既にあるNPOにお金を投じるだけでいいのではないか、ということ。
ホリエモンのブログでは直接民主制で運営を決めよう、とあるが、
そんなことしなくても、あなたがどこにお金を出すかというその行為自体が、
実質的には直接民主制の投票に近いのだ。
NPOからのリターンを求めるなら違うけどね。そうなると、NPOというより株式会社。
 つまり、自分が支持する会社の株を買え、ということになる。)
国民は、このお金で試されているのだ。
ここは1つ愚民にならないように、良い使い方をしよう。

ネットの上をちょっと調べてみても、支援を求めている団体はこんなにたくさんあった。
当初はリストを作ろうとも考えたのだが、あまりに数が多くて挫折した。
なので、ここに挙げたところだけでなく、各自が調べて自分が納得のゆくところにお金を振り向けられたい。

* Yahoo! ボランティア -> 募金
>> http://volunteer.yahoo.co.jp/donation/

* チャリティ・プラットフォーム
>> http://www.charity-platform.com/

* 募金パーク
>> http://www.bokinpark.com/



●世界を救う
世界を救うのは、特撮ヒーローの必殺技なんかじゃなくて、君の出すお金だ。
正義の味方みたいで、カッコイイじゃないか!

*ユニセフ
>> http://www.unicef.or.jp/

* グッドネイバー
>> http://www.gnjp.org/

* 国境なき医師団
>> http://www.msf.or.jp/

* 国際NGOワールド・ビジョン・ジャパン
>> http://www.worldvision.jp/

* かものはしプロジェクト
>> http://www.kamonohashi-project.net/

* セーブ・ザ・チルドレン
>> http://www.savechildren.or.jp/

* 国際協力NGOセンター
>> http://www.janic.org/

* 世界の子供にワクチンを
>> http://www.jcv-jp.org/

* プラン・ジャパン
>> http://www.plan-japan.org/

* ジャパンハート
>> http://www.japanheart.org/



●明日の地球に投じる

* 国連世界食料計画
>> http://www.wfp.or.jp/

* 地球環境再生機構
>> http://www.erca.go.jp/jfge/



●弱者にやさしい社会に投じる

* 赤い羽共同募金
>> http://www.akaihane.or.jp/

* 難民支援協会
>> http://www.refugee.or.jp/

* フレンチトースト基金
>> http://www.fathering.jp/

* 日本盲導犬協会
>> http://www.moudouken.net/



●心豊かな社会に投じる

* 国際交流基金
>> http://www.jpf.go.jp/j/

* 子どもゆめ基金
>> http://yumekikin.niye.go.jp/

* 芸術文化振興基金
>> http://www.ntj.jac.go.jp/kikin/index.html



●学問の発展に投じる

* 東京大学基金
>> http://utf.u-tokyo.ac.jp/

* 京都大学基金
>> http://www.kikin.kyoto-u.ac.jp/

* 大阪大学未来基金
>> http://www.osaka-u.ac.jp/miraikikin/

* 一橋大学基金
>> http://www.kikin.ad.hit-u.ac.jp/

* 慶應義塾 基金
>> http://www.kikin.keio.ac.jp/

* 高木仁三郎市民科学基金
>> http://www.takagifund.org/



○給付金とは直接関係ないが、クリックするだけで、居ながらにして募金できるところがある。

* クリック募金 -- クリックで救える命がある
>> http://www.dff.jp/

* イーココロ
>> http://www.ekokoro.jp/