ロード,クロスバイク,マウンテン 〜 東京湾1周自転車比較

ロードバイククロスバイク、マウンテンバイク、
3種類のスポーツ自転車で一般公道を走った場合、どの程度の違いがあるのだろうか?
東京湾1周180kmを走り、比較してみた。

・結果、およそロードバイク7時間30分、クロスバイク8時間30分、マウンテンバイク9時間30分。
クロスバイクはお尻が痛くなる。サドルが合わないと辛い。
・ロングライドには、やはりドロップハンドルが望ましい。

昨年は4種類のロードバイク東京湾1周比較を行いました。
* >> クロモリ,カーボン,TTバイク >> [id:rikunora:20131227]
しかしながら、多くの人が知りたいのは「ロードバイク同士の細かな違い」ではなく、
ロードバイクとそれ以外の自転車の違い」ではないでしょうか。
私自身、どれだけ違いがあるのか知りたかったので、この際試せるだけ試してみました。
 

■ 比較した自転車:
クロスバイクTrek FX 7.2

手頃でいい感じのクロスバイク
実は私のものではなく、この目的のために借りてきたものです。貸してくれた人、どもっ!
乗った感じ、この価格帯でここまでできるの!?、と思えるほどしっかりした作りです。
35Cという、ロードバイクより少し太めのタイヤが付いています。
悪路に強く丈夫ですが、その分スピードは落ちます。
今回の走行にあたって、2カ所改造させてもらいました。

「チネリ・スピナッチ」という補助ハンドルを付けました。
写真にある、前に突き出した2本の角のようなモノです。
もともとのハンドルの位置は、私にとって高く近くに来過ぎていたので、これで調整しました。

レーサーシューズに合うように、ビンディングペダルに付け替えました。
(LOOK PP-65 という、かなり古いペダルです。パーツマニアな方ならご存知かも。)
 

* マウンテンバイク : Peugeot Cadet

我が家に20年以上前から伝わる(?!)、とっても古いマウンテンバイク。
ママチャリ替わりとして家族交代で乗り回し、ろくに整備もせず、雨ざらしとなることもしばしば。
それでも健気に働き続ける、頼りがいのあるタフな奴です。
もともとは赤かった塗装が、色落ちして半分白くなっています。

「ANT☆LES」というシールは、現Y'sRoadの前身である、吉田自転車で購入した印です。
その下のシール「TANGE MTB」は、フレームに使われているクロモリパイプの名称です。
 

■ 走行コース:(以前のロードバイク比較と同じコースです)
 往路: 荒川自宅 → 荒川CR・葛西付近 → 稲毛海岸 → 千葉みなと公園で給水 → なるべく旧道を走行 → 金谷
 東京湾フェリー: 金谷→久里浜 (フェリー内では毎回おにぎりセットを食べた)
 復路: 久里浜国道16号 → 横浜 → 国道1号 → 東京駅・国道1号開始地点
※ マウンテンバイクのみ、久里浜観音崎 → 馬堀温泉にて休憩
 

* ルートラボの記録:
新型カーボン往路 >> http://yahoo.jp/Eq77EO
新型カーボン復路 >> http://yahoo.jp/cBaEB3
クロスバイク往路 >> http://yahoo.jp/nT_sOz
クロスバイク復路 >> http://yahoo.jp/Eg8aPe
マウンテンバイク往路 >> http://yahoo.jp/pPjRH3
マウンテンバイク復路 >> http://yahoo.jp/XGluZv
 

■ 結果:

1段目のタイム、平均時速は休憩を含む実測値。
2段目は休憩時間とその内訳。
3段目は休憩を除いたタイムと平均速度。
4段目は参考条件と、往路・帰路の出発時刻。
 

■ お尻の痛みとの戦い
乗り比べた結果、一番辛かったのはクロスバイクでお尻が痛くなることでした。
この痛みはロードバイクには無かったものです。
何が、ロードバイククロスバイクで違うのか。

上の2つは、クロスバイクのサドルと、ロードバイクで愛用しているサドルです。
クロスバイクのサドルは、広くてドッカリ座る感じになっています。
対して、ロードバイクのサドルは「半分体重をかけるような感じ」です。
この違いは、クロスバイクロードバイクの体重の掛け方に由来します。
ロードバイクでは、前:後の比率が4:6くらい、
クロスバイクでは、前:後の比率が2:8くらいの感覚です。
(ママチャリなら0:10、前乗りのTTバイクなら5:5です。)
クロスバイクには、それ相応の体重を受け止めるだけの大き目のサドルが付いています。
ところが長距離乗っていると、どうもこのサドルがお尻に合わず、痛くなってくる。
クロスバイクのロングライドは「お尻の痛みとの戦い」なのです。
これはもう車体の軽量化とか、タイヤの太さといったレベル以前の根本的な問題です。
私の感覚からすれば、クロスバイク型の限界は200kmまでだと思います。
 

この理屈で言えば、クロスバイクよりマウンテンバイクの方がもっと辛いということになるのでしょうが、
実はマウンテンバイクにはこだわりのサドルを付けているので、それほど辛さを感じませんでした。

サンマルコ・ロールスというサドル。ロードバイクに使っているサドルと同じものです。
このサドルは私にはとても相性が良く、長く乗ってもお尻が痛くなりません。
ただ、マウンテンバイクはロードバイクよりも体重がかかるので、さらに「Dr.AIR」というクッションを被せています。

* Dr.AIR『エアーサドルカバー』 >> http://www.unico-jp.com/airsc.html
こうすると、さらに快適な感じになるので、長距離が苦になりません。
(ちなみに私の手持ちのクッションは、クロスバイクのサドルには合いませんでした。
 クロスバイクにも合うサイズがあるらしいので、これを付ければ状況は改善されるかもしれません。)
 

まとめると、

1.ロングライドは「前に体重をかけるタイプ」の自転車の方が、絶対に楽である。
 まずはドロップハンドルの自転車をおススメする。
 

2.自分に合ったサドルを見つけるべし。サドルが合わないと悲惨。

しかし、自分に合ったサドルを探し当てることは、なかなか難しいものです。
他人が良かったからと言って、自分にも合うかどうかは分からない。
柔らかいサドルが良いという訳でもないし、高価なサドルが良いという訳でもない。
試乗ができるショップもあるらしいので、そういった所で試してみると良いと思う。
 

■ 見どころ:
今回、マウンテンバイクのみ観音崎経由という、異なったコースを走りました。
マウンテンバイクは最初からスピード勝負にはならないので、観光気分であちこち寄ってきたわけです。
考えてみれば、いままでこれだけ東京湾を回っていながらロクに何も見てこなかった。
 

* 谷津干潟

東京脱出の際、できるだけ国道14号を通らないように、次のようなルートを通っています。
・行徳橋 -> 原木中山 -> 原木インター付近 -> 京葉道路沿いの細い道 -> 船橋競馬場 -> 谷津干潟
谷津干潟は、ちょうど抜け道の出口付近にあります。鴨がたくさんいました。
 

* 千葉みなと公園

千葉みなと公園には、毎回必ず立ち寄ってボトルに給水しています。
近くに千葉ポートタワーがあります。時間があれば立ち寄ってみたいところです。
 

* 太田山公園 きみさらずタワー

木更津市の郊外の岡にある展望台です。
町のすぐ近くにありながら、登ってみると思いのほか眺めの良い、穴場的存在です。
夜景100選なるものに選ばれています >> http://yakei.jp/japan/spot.php?i=kimisarazu

遠く、アクアラインと対岸が眺望できます。

千葉側から来るのであれば、木更津ビューホテルの裏手からも行くことができます。
 

* 古船浅間神社の御神水

国道127号線沿いの、赤い鳥居が目立つ神社なので、自転車で行けばすぐに分かります。
(千葉側から来ると上り坂の手前なので止まりたくなりますが、
 金谷側から来ると下り坂なので見逃してしまうかもしれません。)
一見すると普通に神社にあるような手水なのですが、たいへん美味しい水です。
私が行ったときには、ご年配の夫婦の方が軽自動車に幾つものポリタンクを積んで、この水を汲みに来ていました。
なんでも味噌造りのためだそうで、「この辺では一番柔らかい水」だとのことです。
 

* 鋸山
ロープウェイで一気に展望台まで登れます。

金谷港が一望の元、フェリーがやってくるところも見えます。
山頂付近を見て回るには1時間以上かかるので、自転車の途中に寄るとロープウェイ終点往復だけになってしまいます。
ちょっと慌ただしかったです。
 

* 東京湾フェリー

対岸に見える煙突は横須賀火力発電所、その向こうに富士山。
 

* 浦賀渡し船

浦賀港の入り口付近に、こんな渡し舟があります。自転車は50円で乗せてもらえます。
フェリーとまた違った、なんとも味わい深い舟です。
>> http://cocoyoko.net/spot/uraga-watashi.html
 

* 馬堀温泉
東京湾1周する身にとって、ちょうど良い所にあります。海を眺める露天風呂がGoodです。
今回は、ここで一風呂浴びて疲れを取って、道が空く遅い時間帯に帰りました。
>> http://www.yurakirari.com/yuranosato/tenpo/yokosuka.php
 

■ すぐれもの:「VIVA きづきベル」

ハンドルに付けておくと、振動で自然に鳴ってくれる警告ベルです。
東京湾一周のようなコースだと、人通りの多い場所も通過しなければならないので、たいへん重宝しました。