です・ます調、だ・である調、みくみく調

今日からこのブログは、です・ます調に改めます。
というのも、いままでこのブログが人からどう見られているのか、ほとんど考えていなかったからです。
ふと他人の気持ちになって、自分のブログを見直してみたら・・・
いったいこの人、何様ですか?
なんか、すごく偉そうに見えますね。
タイトルも怖いし、デザインも帝国っぽいし。
もし私がこのブログを見にきたとしたら、絶対コメントなんか残す気になりませんね。
きっと些細な言葉尻をとらえられて、「あなたの主張は、ここが違っている」とか指摘されて、
議論の泥沼に陥りそう・・・そんな風に思うでしょう。
なので、これからは肩肘張らない、です・ます調に転調します。

自然な文体が、だ・である調か、です・ます調かは、たぶん人によって決まっているのだと思います。
私はもともと、です・ます調が自然体でした。
10年前に書いたものはそうなっています。[id:rikunora:20080821]
だ・である調は、訓練して身につけたものです。
レポートや報告書の類は、だ・である調が前提ですよね。
私は、です・ます調から、だ・である調に転調するのに、とても苦労した覚えがあります。
なぜ無理に、だ・である調に合わせなければいけないのか。
むしろ人当たりのよい、です・ます調の方が、ずっと読みやすいのではないか。
ずっとそう思っていました。

ところが、そうして可能な限りです・ます調で文章を書いているうちに、だんだんとです・ます調の欠点も見えてきました。
です・ます調の最大の欠点は、柔らかさゆえ、白黒ハッキリしない文章が入り込み易いことなんです。
例えば、
 ・・・なのではないでしょうか。
 ・・・とも思うのですが、その一方で・・・
 ・・・ということも、忘れてはいけません。
 ・・・という気がしませんか。
などなど。
こうした語句がたくさん入ってくると、最終的に何が言いたいのかよく分からない、主張のはっきりしないレポートができあがります。
白黒がいつのまにか混じり合って、グレーに混濁したようなレポートです。
こうした文書は一読して読みやすく、当たり障りのない印象を受けます。
しかし、いざ本気で内容を読み取ろうとすると、むしろとっても分かり難いことに気付くのです。
だ・である調は、単なる形式合わせではなくて、やはりそれなりの理由があったのでした。
(この意味で、英語というのはとてもレポート向きなのではないかと思ったりします。
 日本語って、レポートには不向きな言語なのか。)

私がこのことに気付いたのは、手前ミソながらこちらのサイトを作成したときでした。
  >> 甦るMaxwellの悪魔
このサイトは、当初全部です・ます調で書かれていました。
できあがりを読み返してみると、それは主張のはっきりしない、何が言いたいのかさっぱりわからない文章の塊でした。
これはいかんと思い、だ・である調に改めたのです。
(・・・だ・である調になっても何が言いたいのか、あまりよく分からないですね・・・)

だ・である調は、読み手よりも、むしろ書き手の方に負担を与えるのだと思います。
私が、だ・である調に転調するのに苦労したのは、結局のところ「主張に自信が持てない」からでした。
・・・これは100%、絶対に正しいと言い切っていいのだろうか。
ちょっと逃げ道を作っておいた方がいいんじゃないかな・・・
そんな気持ちが、ついつい曖昧表現の誘惑へと駆り立てるわけです。
開き直りかもしれませんが、およそ人間の考えることで、100%絶対に正しいことなんてありません。
(100%絶対に正しいことなんてあり得ない、というのが唯一100%絶対に正しいこと。
 例外の無い規則は無い、って規則に例外は無い?)
なので、自分の中で完結した主張であれば、堂々と言い切っちゃって構わないわけです。
そう考えたら楽になって、それ以来、だ・である調が苦にならなくなりました。

さて、ここまでべた褒めした、だ・である調を、なぜブログでは使わないのか。
それは、このブログはけっこーいーかげんなことがたくさん書いてあるから(書くつもりだから)です。
「妄想」なんですから、なんかもっと楽チンな感じにできたらいいな、と思ったわけです。

です・ます調、だ・である調の他に、私にはもう1つ、訓練によって身につけた文体があります。
それは「みくみく調」です。
みくみく調って何、って人は、こっちを見てね。(再び宣伝)
  >> ミクの歌って覚える統計入門
みくみく調、最初はすごーく抵抗があったのですが、慣れてくるとなんだかとっても楽しいんですよね、これが。
実は上のサイト作りで一番苦労したのは、内容でも、作曲でもなくて、「みくみく調の文章を書く」ことだったのです。
3回くらい書き直しましたよ。
最初は「アホなミクに親切なお兄さん(おっさん)が教える」という設定。
でも、この親切なお兄さん(おっさん)って誰?ってことで、没。
2回目が「アホなミクに、なぜかしっかり者のリンが教える」という設定。
でもそうなると、りんりん調という新しい文体に挑まねばならず、問題は解決しない。これも没。
で、最後にできあがったのが「なぜか賢くなったミクが教える、みくみく調」。
これが何だかしっくりきて、すっかり定着。

みくみく調、楽しいよっ!
ささやかな禁断の喜びが味わえちゃうんだから。
ブログとか作ってる人、ぜったいぜったい試してみてね!
みっくみくにしてやんよ!