東京→大阪24時間自転車走破“キャノンボール”達成!

東京の日本橋、国道1号起点から、大阪の梅田新道、国道1号終点まで、
約520kmを自転車で 24時間以内に走破した。
3回目のチャレンジにしてようやく達成、超嬉しい!!


*1回目のチャレンジ
  大阪→東京(伊賀越えルート)
  キャノンボール成らず、超悔しいぃ〜! >> [id:rikunora:20140325]
  2014/03/22(土) 01:25 〜 03/23(日) 07:10
  タイム: 29時間 45分


* 2回目のチャレンジ
  大阪→東京(伊賀越えルート)
  キャノンボールの壁は厚かった >> [id:rikunora:20140514]
  2014/05/10(土) 09:14:36 〜 05/11(日) 09:53:08
  24時間 38分 32秒


* 3度目の正直、達成!
  東京→大阪(伊賀越えルート)
  2014/09/27(土) 05:11:05 〜 09/28(日) 04:19:52
  タイム: 23時間 08分 47秒

ルートラボの記録
* キャンボール達成(前半) >> http://yahoo.jp/JKO2uC
* キャンボール達成(後半) >> http://yahoo.jp/sTihoC

■ 成功要因

[1].スペシャル機材
キャノンボールのために、最もふさわしい機材を投入した。

サーベロRS(Giro d'Italia 100周年記念モデル) + Mavic キシリウム SLS


過去2回で失敗した自転車はクロモリ(鉄)、今回の自転車はカーボンである。
クロモリがカーボンに比べて全くダメだとは思わないが、それでも1つ、明らかに劣る点がある。
それは登坂力である。過去2回の失敗の最大の原因は、箱根が登り切れなかったことにある。
カーボンに比べて、重たいクロモリはどうしても登り坂に弱い。
キャノンボール成功のためには、箱根を軽々と登れるような軽さが欠かせない。
さらに、定評のある軽量ホイール“キシリウム SLS”を装備した。
正直、キャノンボール達成できるなら100万円出しても惜しくは無い、という気持ちになっていた。
恐るべし“機材の魔境”である(・・・実際には、そこまで出していないけど)。
おかげで「軽い、疲れない、上り坂に強い」3拍子そろったスペシャル機材が整った。

フロントフォークに白く見える部分は反射テープ。
これは安全のためもあるのだが、実は立ちゴケで出来た傷を隠している。
反射テープは、シートステーとペダルにも貼ってある。

[2].天候、追い風
西向きの強い追い風に乗った。
当日は極端に暑くも寒くも無い、ベストコンディションだった。
毎日天気図とにらめっこしながら、ズバリこの日を選んだことが大きな成功要因。

(天気図は http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=spas&cat=e1 より引用.)
強風の源は、近付きつつあった台風17号にある。
風は高気圧から時計回りに吹き出し、低気圧に反時計回りに吸い込むので、
当日はちょうど進行方向に風が吹いていたことになる。
夕方、浜松から名古屋に向かう間も、上手い具合に気圧配置が変わって進行方向に風が吹き続けた。
夜21:00〜、名古屋通過以降は、ほぼ無風となった。

[3].過去2回の経験値
やはり、過去2回の経験値は大きかった。
まず道がよく分かっていて、迷うことが無い。
休憩ポイントも把握しているし、ペース配分も体感できている。
当日、走っている最中にも、
「そういえば、ここで休憩したな、ここは辛かったな・・・」
といった記憶が次々とよみがえった。
過去の失敗は、決して無駄ではなかった。

[4].人の助け
今回、2回連続のパンクに見舞われ、タイヤに傷あり、予備チューブ無しという心細い状況だった。
実はそこで、通りすがりの見知らぬローディの方から予備のチューブを恵んでもらった。
これが大きな心の支えとなり、最後まで走り抜くことができた。
改めて感謝します。どうもありがとう。

■ タイムテーブル

右側が予定計画、左側が実走結果。
予定では朝4:00発だったが、実際には1時間寝坊して5:10発となった。
まあ、ぐっすり眠れたし、ちょうど夜明けと共に出発だったので、結果的にはそれでよかった。
前半は追い風にのって順調にタイムを稼ぎ、後半で貯金を少しずつ消費している。
計画はほぼイーブンペースに書いてあるが、実際には均等に走れることはなく、当然後半に疲れが出てくる。
全体を通じて最も辛かったのは清滝峠手前、奈良先端大学付近の最後の登り坂。
あと、藤川付近で2回のパンクがあり、約20分のタイムロスがあった。
トラブルはこのパンクだけで、あとは事故もなく順調だった。

■ 休憩ポイント一覧

・沼津、錦町付近:  自販機でアップルティー
富士川手前、道の駅にて:  ボトル給水、トイレ
清水清美潟公園にて:  ボトル給水、トイレ
・宇津ノ谷峠、道の駅にて:  ボトル給水、おにぎり1個
袋井市役所手前、ゲオ袋井店駐車場にて:  自販機でアップルティー, 朝摘オレンジ->ボトル、おにぎり1個
豊橋市役所付近にて:  自販機でオレンジジュース
国府手前、「京次」交差点手前にて:  前輪パンク->チューブ交換
  (御油にてナビの電池切れ、予備バッテリーに接続 -> GPS記録が1kmほど抜けた)
・藤川道の駅にて:  後輪パンク->チューブ交換、トイレ、自販機でキリンレモン、ボトル給水
三河知立、「御林」交差点にて:  通りがかりのローディから予備チューブをもらう
・名古屋六番町付近にて:  自販機でニミッツメイド, スポーツドリンク(DAKARA)->ボトル、おにぎり半分
・伊勢街道、川原田付近にて:  自販機でオロナミンC, お茶->ボトル、おにぎり半分
・加太駅付近にて:  自販機でカフェオレ、反射ベスト着用
ファミリーマート 伊賀服部町店にて:  ウィダーインゼリー+おにぎり半分、今回唯一のコンビニ補給
・木津川、泉大橋を渡った後、桂川サイクリングロードの起点にて:  川岸にて休憩
奈良先端大学前付近にて:  ひっくり返ってゴロ寝休憩、このあたりが最も辛かった。
第二京阪道路下、門真インター近くにて:  最後のウィダーインゼリー補給
 ※ ここにある休憩ポイント(と、歩道橋、階段などの通過)がサドルを降りた全てである。
 ※ “できるだけ止まらない、降りない”ポリシーを徹底した。

■ 補給食

・おにぎり x 3個半 (最後の半分は残した)
・薄皮アンパン5個入り x 1パック
・キャラメル x 1箱
・飴(塩分チャージタブレッツ)を幾つか。
   ・・・以上は最初から持って行ったもの。
ウィダーインゼリー x 2個
   ・・・途中コンビニにて購入。
・ジュース x 9本
   ・・・自販機にて購入。


後半、固形物が喉を通らず、食べた量はかなり少なかった。3kg痩せた。
補給食は前半おにぎりと薄皮アンパン、後半にはウィダーインゼリーだった。
たとえ喉の通りが悪くても、前半でおにぎりを押し込んでおかないと最後まで持たない。
おにぎりは全て、海苔が分離していない一体化タイプのものを選んだ。
パサパサした海苔は喉の通りが悪い。一体化タイプであれば走りながらかじることが可能だ。

上がコンビニのレシート。
今回は途中1カ所しか寄らなかった(右)。左は出発前日のもの。

■ データ分析

今回の1つの英断は、出発地を東京に選んだことだった。
キャノンボールでは、大阪発の方が、東京発より有利だという定説がある。
その主たる理由は風向き。東京〜大阪間は、年間を通じて西風が吹いていることが多い。
私も1回目、2回目のチャレンジでは大阪発を選んでいた。
だが、本当に大阪発はそれほど有利なのだろうか?
以下の cannonball!!wiki にある「キャノンボール統計データ」から、過去の記録データが入手できる。
* cannonball!!wiki >> http://www29.atwiki.jp/cannonball/
このデータから、東京発と大阪発で、どれほど違いがあるのか検証してみた。
まず、データにあった119件の記録を (達成/完走/リタイア)x(大阪発=東向き/東京発=西向き) で集計した。

カイ二乗検定を行うと、χ2統計量=0.20036で、この程度であれば有意な差があるとは言えない。
グラフを見ると、西向きのリタイアが圧倒的に多く、完走と達成の割合は東西でほとんど違わない。
(達成は完走のちょうど半分くらいとなっている。)
なぜ、東向きのリタイアが多いのか。
これはきっと「東向きの方が有利」という定説によって、
初回のチャレンジで大阪発を選ぶ人が多いからではないかと推測した。
そこで、達成した27人について、それが何回目の走行だったのかということを東西に分けてカウントしてみた。

果たして、西向きを2回目以降とする人がほとんどであることが表から読み取れる。
データを見て驚いたのは“薄軽筆入れ”氏の 9回、“もみあげ”氏の 13回というトライ回数である。
両氏のあくなきチャレンジ魂に敬服の意を表さずにはおれない。
(もちろん、両氏ともキャノンボール達成者である。)

次に、完走・達成タイムを、東西に分けてプロットしてみた。

左側のグラフが全データ、右側が30時間以内のものを抜粋したグラフである。
見てお分かりだろうか。
実は東京発西向きの方が、全体としてわずかではあるが、タイムが短い傾向があるのだ。
なぜ短いのかというと、西向きは2回目以降のチャレンジャーが多いため、経験値がものを言っているのだろう。

それでは、経験値はどれほどタイムに反映されているのだろうか。

このグラフは、(トライ回数)x(完走タイム) を示している。
これを見ると、
 ・初回のチャレンジでは、30時間以上かかっている結果が目立つが、2回目にはそれが無い。
  つまり、2回目は己の脚力を知った“本気のヤツ”しかチャレンジしていない。
 ・3回目までは、全体としてタイムが上がっている。
という傾向が見られる。

以上から得た結論は、
・決して東京発が不利だというわけでな無い。
・3回目まではチャレンジする価値がある。
ということだ。
実際、私も直前までは大阪発を考えていたのだが、このデータを見て考え方を改めた。
東京発の場合、私にとって有利な点がある。
それは、最大の難所である箱根が手前にあることだ。
過去2回では箱根を登り切れずに失敗していたので、
まだ疲れていないうちに箱根を持ってくる作戦は十分にありだ。
また、3回目まではタイムが上がる、というデータにも勇気づけられた。
少なくとも3回目までは、諦めずにチャレンジする価値があるのだ。

■ 出発時刻

出発時刻についても過去データを参考にした。

これを見ると、お昼頃に出発する人が最も多い。
それらは箱根と鈴鹿峠(or伊賀の山)を明るいうちに通過しよう、という計画だろうと思う。
しかしながら、私は計画段階で早朝4:00の出発とした。
その理由は、出発時刻による大きな差異が、上のグラフからは読み取れなかったからである。
つまり、出発時刻は何時でも構わないのである。
(もっとデータが充実してくれば傾向が見えてくるのかもしれないが、今のところは何とも言えない。)
実際、私は2回目のチャレンジで“明るいうちに山越えプラン”だったのだが、
それだと「昼->夜->昼」というサイクルになり、いかにも生活のリズムに合わなかった。
また、私の場合既に道を知っているので、夜の山道でもさほど恐くはない。
以上から、素直に夜明けと共に出発するのが一番だろうと考えた。

■ 風向きは極めて重要
ところで、風向きはそれほどまでに重要な要素なのだろうか?
その通り。特に静岡から愛知にかけての東海地方は、強い風の吹く日が多い。
味方につければ強力だが、逆風だったら達成はまず無理だ。
私の1回目のチャレンジでは、名古屋->浜松間は強い追い風が吹いて、
滅多に入れることの無いアウタートップギヤで走ることができた。
この間、一時的に時速40kmを記録し、時間も短縮できた。
(なので1回目の事故が非常に悔やまれるのである。)
2回目のチャレンジはほぼ無風で、24時間を達成できなかった。
たぶん、追い風の助けが無かったときの私の実力はこの程度なのだと思う。
3回目の今回、達成できたのは前半〜中盤にかけて、ずっと追い風だったことが大きい。
このように、キャノンボールにおいて風向きは極めて重要なのである。
大阪〜東京間は、総じて言えば西から東に風が吹いていることが多いので、
「平均すれば、大阪->東京の向きが有利」というのは間違いではない。
しかし、ずばりその当日の風向きは、平均したのとはまた別の話だ。
キャノンボールの予定は、「何が何でもこの日に行う」という計画にせず、
天気図を眺めてコンディションが整う日を待った方が良い。
私の場合、「9月〜10月にかけて、最も良い日を待つ」という計画だった。
(なので、9月〜10月にかけての週末は、なるべく他の予定を入れなかった。)

■ 服装

* 髪型
出発1週間前に床屋に行って“軽量化”を図った。
やはりスポーツにはこれが一番である。気合いも入る。


* ジャージ
さらに気合いを高めるため、新しいサイクルジャージを投入した。

“ロングライダース・ジャージ”。
どこがどう高まるのか定かではないが、とにかくこれで何かがパワーアップすること間違いない。
ちなみに、このジャージには対になるレーサーパンツもあるのだが、
いきなり新品の使用は避けて、普段から履き慣れているパールイズミのレーサータイツを用いた。

* 反射ベスト

夜間走行の必須アイテム。防寒具も兼ねている。
昼間は、写真の脇に写っている小さなサドルバッグに収納し、夜に活躍する。
反射タスキの方は、走行中ずっと付けっ放しだった。
もし暑くて反射ベストが着れないときでも、少なくとも反射タスキはある、という状態にしたかった。
実走行では、伊賀越えあたりから気温が低下し、夜の間中役に立った。

* ウェストバッグ

かなり年季もののウエストバッグ、20年は経っている。
反射テープは、ばあちゃんにお願いして縫い付けてもらったものだ。
うちのばあちゃんは、いつも世間に対して済まなそうにしているのだが、実は裁縫の名人である。
反射テープだけでなく、全体的に痛んだこのバックを見事なまでに修繕してくれた。
荷物についてはいろいろ試したのだが、どうもこの“ばあちゃんのウエストバッグ”が一番しっくりくる。
2回目のチャレンジまでは背中に荷物を背負っていたのだが、
今回からはこのウェストバッグと、サドルバッグに分けて装着することにした。
 ・走りながらでも、すぐに取り出せる位置に食糧を置く。
 ・すぐに必要でない荷物は、なるべく体に付けないようにする。
という2点から、このスタイルとなった。
右に財布と飴,キャラメル。左にメガネorサングラス。後ろにおにぎりを入れておく。
私は昼間はサングラス、夜にはメガネを付け替えている。
ちなみにトップチューブバッグには“薄皮アンパン”を入れておいて、途中、走りつつ食べている。
この程度の荷物なら、がんばればジャージのポケットにも入りそうだが、
多少のゆとりがあると不測の事態にも応えられるので、ウェストバッグを用いることにした。

* 2重手袋

手袋は2重に付けている。
上が外側の古い手袋、下が内側の新しい手袋だ。
手が痛くなる対策として、2重手袋は相当の効果がある。
古い手袋には大穴が開いており、普通なら捨てるような状態なのだが、
これを捨てずにとっておいて外側の手袋として利用しているわけだ。

■ 携行品

* ツールボトル

シートチューブに付けているツールボトルの中身。
タイヤレバーは1本しか無いようだが、携帯ツールセットのフタがもう1本のレバーとなるので、これで十分なのである。
これまでにクリートのトラブルはかなり多かった(割れる、ネジを無くす)ので、予備クリートとネジを用意してある。
アーレンキーは携帯ツールセットにも付いているが、よく使うものは別に持っておいた方が使い勝手が良い。
予備チューブは、一本はツールボトルの中に、もう1本はサドルバッグに入れている。
今回、予備チューブを2本持っていたことが勝利の秘訣だった。
あとは小型プライヤーと、予備の電池。

* 財布

今回は、財布まで軽量化を図った。
走行中は小銭+千円札で十分なので、それらを登山用の小型財布に入れておいた。
一万円札などの大きなお金+保険証+カード+大阪中央郵便局での荷物受取票は、
まとめてビニールケースに入れた。
ビニールケースの表には、計画したタイムテーブルを印刷して入れてある。
このビニールケースはウエストバック後ろポケットの背中側に入れておいて、
汗でウエストバックの中身が湿ることを防いでいる。

■ ルートについて

いわゆる“伊賀越えルート”を通ったわけだが、以下には今回通った、
他であまり紹介されていない細かな抜け道を挙げておく。

* 藤沢の東海道線陸橋

藤沢の先で東海道線を越える陸橋は、東京から向かって左側(西側)にある踏切から迂回できる。
こんな橋1個くらい直接越えてしまった方が速そうなものだが、
私の場合は少しでも足に負担をかけたくなかったので、下から迂回した。
もし大阪側から来たときには、終盤で坂を1つでも減らしたいだろうから、迂回には意味があると思う。

* 三島市

同じ理由で、三島も国道1号ではなく、三嶋大社の前を通り、三島市内を通過した。
市内の方が道が狭いが、陸橋を越えずに済む。
三島市内は午後は混雑するが、午前10時より前はまだ比較的空いている。

* 富士川〜蒲原付近

富士川を渡り終えた後は、ひたすら富士由比バイパスに沿って進んだ。
まずバイパスの右側(南側)を、途中でバイパスの下をくぐって左側を通る。
道は細いが交通量は少ないし、最短ルートに近いと思う。

* 駿河健康ランド〜清水付近

由比から太平洋岸の歩道の中を抜け、駿河健康ランドを通過した後、
国道1号には戻らず、そのまましばらく静清バイパス沿いの海側を走ることができる。
この歩道(自転車路道路)は、清水興津図書館の裏手で終わっている。
大阪側から来たときは、この裏手の出口が非常にわかりにくい。
出口の先には清水清見潟公園があり、私は毎回ここで休憩を入れている。
公園から清水港までは海沿いを走り、「袖師」という交差点から国道1号に戻る。
ずっと国道1号を走るのと大差は無いが、こちらのルートの方が公園もあって、
少しだけ走り易い感じがする。

* 天竜川付近

天竜川にかかる橋は、旧道ではなく、新しい橋の歩道を渡った。
橋を渡り終えた後、天竜川沿いの土手の上を走る。
そのまま県道沿いに進み、中央卸売市場の脇を抜けて、浜松バイパスに至る。
浜松バイパス伝いに進むのと大差は無いが、土手の上の景色が良い。

* 鈴鹿川河岸

四日市を過ぎ、追分から国道1号を離れ、河原田方面に向かう。
鈴鹿川を渡り、南岸の土手の上の道を川沿いに、鈴鹿高校まで走る。
そこから庄野橋を渡り、国道1号に戻る。
(土手の上の道は「鈴鹿川サイクリングロード」ではなく、車も通る一般道である。)
このコースは国道1号よりも1.5kmほど長いのだが、
鈴鹿川の土手沿いの道が信号も無く走り易いことと、
国道1号と比べてアップダウンが少ないことがメリットだ。

* 亀山インター付近

亀山インター手前、「布気東」交差点で関西本線を渡り、
鈴鹿川の河岸を走って「小野川橋東詰」交差点に出てくる。
そのまま国道1号を走るのとほとんど変わらないが、少しだけ景色が良い。
東京->大阪向きだと、国道1号を横断することが無いので行く価値がある。
亀山インターの直下を通るのが嫌だな、と思ったときの回避ルート。

* 島ケ原旧道

島ケ原バイパスよりも、大和街道の旧道を通った方がアップダウンが少ない。
ただし距離は少しだけ延びる。

* 木津川付近

木津川の泉大橋を渡った後、市内に入らず、右折して川岸沿いに進む。
ここは桂川サイクリングロードの起点にあたり、少しのサイクリングロード上を進む。
細い道を抜け、山田川駅の隣にある踏切を渡れば、国道163にある陸橋を回避することができる。

* 四條畷付近

清滝峠のトンネルは、大阪に向かう左側に歩道があって通過することができる。
(現在、反対側がどうなっているかはよく知らない。
 大阪->東京の場合、道路を横断する必要があるかもしれない。)
清滝峠から下ってきて、「中野ランプ北」交差点から四條畷小の裏手の細道を抜ければ、
陸橋を1つ回避して「蔀屋東」交差点に出る。

* 第二京阪, 門真付近

新しくできた第二京阪道路の下を通過することができる。
ここは自転車レーンが整備されていて走り易い。
ただし、門真JCT付近で近畿自動車道を渡るには、歩道橋を使わなければならない。
歩道橋にはスロープが付いているので、自転車でも渡ることができる。

以上の細かな抜け道は、全て Google Earth を見て見つけたものだ。
こうした抜け道を通るにせよ、通らないにせよ、Google Earthで全工程を辿ってみることは非常に有用だ。
鈴鹿川沿いなど、まだ一度も行ったことのない道であっても、全く迷わずに走ることができた。

■ パンクと予備チューブ

今回は幸いにも、事故や大きなトラブルに見舞われなかったのだが、それでもアクシデントはあった。
まず愛知県国府付近で前輪がパンク。
持っていた予備チューブに交換し、続行するも、次に藤川付近にて立て続けに後輪がパンク。
2本目の予備チューブに交換した。
予備チューブを2本持っていたのは正解だった。
ここで1本しか無かったら、諦めていたところだ。
前輪を調べると、1カ所に傷があり、そこからチューブが顔を覗かせている。
おそらくガラスの破片か何かで切ったのだろう。
いつまたバーストするかもわからない、極めて危険な状態だった。
(後輪のパンクは、2カ所に穴が“ハの字”に空いている、いわゆるリム打ちパンクだった。
 前輪と後輪のパンクの原因は異なっており、立て続けに起こったのは偶然だったようだ。)

このタイヤの傷を見て、このまま続行すべきかどうか、かなり悩んだ。
この先、伊賀の山越えで、深夜に誰もいない悪路を通過する。
もしそこで前輪がパンクしたら、万事休すである。
何としても、もう1本予備のチューブを手に入れたかった。

まず思い付いたのは、近くの自転車に駆け込んでチューブを入手することだ。
たとえレーサー用のチューブが無かったとしても、パンク修理セットは必ずやあるだろう。
そろそろ店が閉まる時間なので、行くなら今しか無い。
携帯で「岡崎市自転車屋」と検索し、一番上に出ていたリンクをクリックすると、
近くにある自転車屋のリストが出てきた。
これ幸いと思い、リストにある [ここへ行く] ボタンを押すと、
[キャンペーン登録、3ヶ月無料お試し実施中♪] というページが出てきた。
さらにその先に行くと、[クレジットカード決済] というボタンが出てきて、そのまま登録画面へ・・・
 ・・・っざけんなぁ〜!!!
ここに来てブチ切れた。今は1分、1秒でも惜しい。
しかも電波状況も悪く、私自身、携帯で文字を打つのはかなり不慣れなのである。
非常にイライラしていたところに、この登録画面。
 もういい、チューブ無しで行く。
そのまま続行することにした。
※ あの検索サイトは、もう2度と使わない。
※ ちなみに家に帰って、後から落ち着いて検索したら、うまく検索することができた。
Googleで、2番目以降のリンクをクリックすれば良かったのだ。

しかしながら、傷付いた前輪はやはり不安の種である。
「大丈夫、大丈夫、絶対パンクしない・・・」と念じて走っていたところ、
少し先の交差点で、いかにも長距離ツーリングをやっていそうな出で立ちのロードバイク乗りに出会った。
そこで、はたと気づいて、思わず口をついて出た、
 「東京〜大阪チャレンジしてます、予備のチューブを下さい!」
場所は名鉄三河線を渡る高架橋の手前(東京側から見て)、三河知立駅の近く「御林」という交差点にて。
時刻は 19:20頃。その方は、 GIOSのロードバイクに乗っていた。
私のお願いに多少驚いたようだが、ただ1本しか無い予備チューブを快く恵んでもらった。
もしこの予備チューブが無かったら、完走を断念していたかもしれない。
それどころか、本当に山中でパンクして、途方に暮れていたかもしれないのだ。
(幸い、3回目のパンクは起こらなかった。)
1本しか無い、ということは、逆にこの人がパンクしたら、とても困っただろう。
それでもチューブを頂けたということが、感謝の意に絶えない。
筆記用具を持ち合わせていなかったので、私の名前と、「rikunora」というハンドル名を伝えておいた。
(携帯にメモればよかったのかもしれないが、操作が苦手なんだよ!)
実は今もって、この人の名前も所在も分からないままである。
もしこのブログをご覧になったなら、ぜひ連絡をください!
どうもありがとうございました。

※ 後知恵だが、タイヤの傷はガムテープで応急手当することができた。
※ コンビニに駆け込んでガムテープを購入し、タイヤの内側に張れば良かったのだ。
※ あるいは薄い布を包帯にして、傷のある部分のチューブに巻いておく、といった手段もあっただろう。
※ 落ち着いて考えれば、いろいろな対策はあるものだ。

■ 車輪よ、あれが大阪の灯だ!

心に焼き付いた風景がある。
それは、清滝峠を越えて、目前に浮かび上がった大阪の街の灯である。
時刻は深夜3:00、それまで暗い夜道を抜けてきた身にとって、まるで光の海のように見えた。
 やっと、ここまで来た。
感動に心打ち震えた。