大栗先生の「重力のふしぎ」講座

去る2/10(金)に、大栗博司先生の講座を聞きに行きました。
栗先生と言えば、Caltechカリフォルニア工科大学ファインマンさんがいたところ)と、
カブリIPMU(東大数物連携宇宙研究機構)で教鞭をとられている、とにかくすごい方です。
そんな先生の話が聞けるというので、すぐ申し込みを決めました。
栗先生は、先端研究者の日常をブログに綴っているということで、科学ブロガーの間でも高い人気があります。
* 大栗博司のブログ >> http://planck.exblog.jp/
せっかくの機会なので、ブログで知り合った方のオフ会も兼ねることにしました。
* とね日記:重力のふしぎ(朝日カルチャーセンター)
* 271828の滑り台Log
そもそも今回の講座は、とねさんから教えていただきました。

今回の講座は「重力のふしぎ」というタイトルで、相対性理論を一般向けに分かりやすく解説するのが中心的な内容でした。
結論から言えば、聞きに行って本当に良かった、大満足でした。
特に、すごいなぁと心底感心したのは「説明に全くごまかしが無い」というところです。
相対論を数式抜きで、かつ易しく説明する、というのは至難の業です。
例えば、E = mc^2 って何だ? ということについて、講座の中ではおもしろおかしく
「もし相撲取りが光速に近い速度でぶつかったら」というお話をされていました。
光速に近い速度でぶつかってゆくお相撲さんから見れば、時間の流れがゆっくりに見えるので、相手の張り手もゆっくりに見える。
しかし、たとえゆっくりに見えたとしても、張り手の威力自体が衰えたわけではない。
なぜか? これはもう、張り手の質量が重くなったとしか考えようが無い・・・
・・・これ、一見冗談みたいですが、確かに物理的に正しい内容なのです。
私は以前、E = mc^2 という式はどこから出てきたのだろう、と思って調べたことがあります。
* なぜ E = mc^2 なのか? >> [id:rikunora:20080703]
その際に、もうこれ以上やさしい説明は無いだろうと思っていました。
が、さらにその上があった。
難しい内容を、ごまかすことなしに易しく伝えるのは、実は本質を深く知った人にしかできないことです。
「高校生レベルの知識層に説明して伝えることができなければ、その人は科学を理解しているとは言えない」
これはファインマンさんの名言ですが、そのまま Caltechの精神にもなっている、そんな風に感じました。

講座の後は、予定時間をオーバーして、かなり長い時間を質疑応答に割いていただけました。
先生はすごくサービス精神旺盛な方で、手振り身振りを交えて1つ1つに熱心に答えていました。
せっかくの機会なので、私も相対論のよくわからないところを尋ねてみました。
その場でとても的確な答が頂けたのですが、惜しむらくは、もう少し時間がとれれば良かったかと思いました。
そんなだったので、質問時間は本当にあっという間に感じられました。

あと1つ気になったのが、実は先生は似顔絵が上手いのではないか、ということ。
資料の中に、ニュートンアインシュタインの似顔絵が入っていたのですが、
たぶん、大栗先生ご自身の手によるものではないかと思うのです。(未確認)
このブログにある画像をクリック拡大して見てください >> http://planck.exblog.jp/17445568/
H.Og というサインが入っているでしょう。けっこういい感じだと思いませんか。
※ やはり先生ご自身の手によるものでした。

講座の後は科学ブログ仲間でオフ会(飲み会)に繰り出しました。
特に 271828さんと実際にお会いするのは、今回が初めてとなります。
ご自身のブログでも触れていますが、271828さんはここ最近手作りジャムに力を注いでいます。
これがいろいろなこだわりを持って作られた一品で、市販品に勝るとも劣らぬ完成度なのです。
今回、おみやげに1ついただきました。

どうもありがとうございます!

栗先生の次回の講座は 6月2日(土)、「重力をめぐる冒険」というタイトルの講座になるとのこと。
私は申し込む予定です。
科学ブロガーや、ホームページを作っている方、そうでなくても興味ある方、
せっかくの機会なので、一緒に参加しませんか?