素粒子カフェ

今回は「みけねこサイエンスプロジェクト 素粒子カフェ」の紹介です。

素粒子カフェは、素粒子物理やSFのネタに関する月1開催の公開型お茶会です。
ホストの研究者が話題を提供し、それをネタにして皆で楽しくおしゃべりしましょうという趣旨の会です。

「宇宙の謎」とか、「質量の起源は何?」という一見哲学っぽい話題や
反物質」、「ブラックホール」、「暗黒物質」、「ニュートリノ」、「LHC
などのSFにも出てくる様なキーワードの解説や話題もあります。この辺りの単語に反応する人は大歓迎です!!
皆さんのお越しをお待ちしております。
  -- http://www.mikeneko-scienceproject.com/science-cafe/ (このページの情報は少し古い)

KEKの研究員である泉田さんという方が主催されています。
参加は誰でも可能です。希望される方は主催者の方までメールにて連絡してください。
開催情報はこちら >> みけねこさんとこの科学日記

私はこの素粒子カフェに、前々回の9月と、前回の10月の都合2回参加してきました。
場所は新宿にある喫茶店ルノアールの会議室(9月と10月では違う場所)。
参加人数は10名程度で、格式ばった講演というよりも、ざっくばらんな気軽な集まりといった雰囲気でした。
集まった方の年齢層は、学生と思しき人からご高齢の方まで、とても広範囲でした。
女性の参加も多く、半分とはいかないまでも1/3は越えていました。
参加しての第一印象は、講師の泉田さんがとってもニコニコしていたことです。
本当に、ものすごくニコニコしていて楽しそうで、きっとこれが長続きしている秘訣なのだろうと思いました。
実際、この素粒子カフェは泉田さんがほとんど一人で切り盛りされています。
毎月の運営準備を考えると、さぞ大変だろうと察します。
この素粒子カフェ、いわゆる宣伝の類はほとんど行われていません。
ならばと思い、微力ながらこの場で紹介することにしたわけです。

お話の内容は一般向けにやさしく噛み砕かれたもので、誰にでもとりつける話題だと思います。
私にとっては現場の研究者から直に、温度感を交えての話が聞けたことが貴重でした。
9月の会では、LHCや、まだ見つからないヒッグス粒子についての話題などがありました。
LHCでのブラックホール生成の噂(?!)について尋ねてみたところ、
「もしLHCで地球を飲み込むようなブラックホールができるのなら、もうとっくの昔に宇宙線の中で生成されていたはず」
だとのこと。
実際、アメリカではブラックホール生成の危険を理由に実験差し止めの訴訟まで起こったのですが、その際には安全性を示すための苦労があったのだそうです。
10月の会は、素粒子発見の歴史についてのお話でした。
聞いていて思ったのは、素粒子の歴史が意外なほど新しいということ。
ラザフォードの原子模型は1911年、つまりちょうど100年前。
標準模型で最後の空白だったタウニュートリノが見つかったのは2000年です。
あと、加速器ができる以前の研究は、原始的な霧箱で行われていたというところに、ある種のロマンを感じました。

さらに、9月の会では、普通の本屋さんでは手に入らない、ちょっと珍しい本を入手しました。

素粒子ギジンカ物理学II」「素粒子ギジンカ物理学 番外編」
こんな外見ですが、中身は意外とまともだったりします(何を以ってまともとするかにもよりますが・・・)
詳細は、こちらのリンク先をたどってみてください。
* ナマハミルトニアン! >> http://namahami.web.fc2.com/index.html
ちなみに、この本をその場で手に取ってみた一般女性の反応は、
「こういうのって、男性向けの視点から書かれていますよね・・・
 女性の立場からでも見れるものって、無いのかしら。」
たいへんごもっともな意見です、ハイ。

さて、次回の素粒子カフェ番外編は、10/30(日) 秋葉原にて、ちょっと変わった話題が取り上げられる予定です。
>> 「SERN VS. CERN 夢のタイムマシン対決?!」のお知らせ
つい先日、「ニュートリノの速度は光速よりも速かった」というニュースがありました。
* 超光速ニュートリノ実験レポートを読む >> [id:rikunora:20111001]
このニュースによって、一躍脚光を浴びたSFゲーム&アニメがあります。
* 想定科学ADV『STEINS;GATE(シュタインズゲート)』>> http://steinsgate.jp/
# 秋葉原の一角で、偶然にもタイムマシンを作り上げてしまった主人公たち。
# その秘密を無きものにしようと送り込まれる SERNのエージェント。
# SERNの世界征服を阻止すべく、未来を書きかえるため、主人公たちの活躍が始まる・・・
・・・そんなストーリーです。
SFストーリーとしては、話の運びが秀逸な傑作だと思います。
(もし今から見ようって気がある人は、先にあらすじ等のネタばれ情報には極力触れないこと。楽しみが半減するよ。)
で、次回の素粒子カフェでは、このSFストーリーに科学的な見地から思い切りツッコミを入れるのではないかと期待しているわけです。

# あっと、この場でこんな風に紹介すると、まるでオタクの集会みたいな印象を持たれるかもしれませんが、
# 参加者のほとんどはごく普通の一般人ですので、誤解なきよう。