夏休みの虫の数

我が家の居間を照らしている蛍光灯は、丸いプラスチックのカバーですっぽり被われた形をしています。

プラスチックのカバーと天井の間には隙間があって、夏になると、小さな虫が照明の中に入ってきます。
ときどき掃除をしてみると、いつでも必ず何匹かの虫が入っていて、滅多に0になることがありません。
ならば、ひと夏の間に、いったい何匹くらいの虫が入ってくるのだろう?
好奇心に駆られて、この夏は2ヶ月間、掃除をせずに虫を集めてみました。
* 集めた期間:2011年6月20日〜8月20日

大漁、大漁〜!
さっそく取り出して、大きさの順に並べてみました。

大物は一番下の列、左下の一番でっかいカナブンが目立ちます。
2番目がアブ、3番目は蛾、4番目は羽アリ、あとは、その他大勢。
中央付近は一応肉眼でわかるもの。残る両端の粉みたいなやつは、何だかよくわからない。

ウンカ、小バエ、蚊、ガガンボ、カゲロウ、小さな蛾・・・
よく見ると、かなりバラエティに富んでいることがわかります。
一度は種類別に分類しようと試みたのですが、挫折しました。

虫の数を、大きさ別に集計してみました。

 2cm以上     1 匹
 1cm 〜 2cm   1 匹
 0.5cm 〜 1cm  15 匹
 1mm 〜 5mm   59 匹
 0.5mm 〜 1mm  393 匹
 0.5mm 未満   654 匹
     合計 1123 匹

これをヒストグラムにすると、こうなります。

オレンジ色の面積が虫の数を表しています(1匹 = 0.2mm^2)。
グラフを見ると、ほどんど軸に貼り付いているような形状です。
最大のカナブンが赤い矢印のところ(2.3cm)に突出している一方で、90%以上の虫が 0.5mm未満です。
つまり、ごく少数の大物と、その他大半を占める小物、といった分布です。

ところで、下の図は TopHatenar >> http://tophatenar.com/ から取得してきたグラフです。

これは、はてなダイアリーにある各ブログのブックマーク数と購読者数の集計結果です。
このグラフの様子、上の虫の数の分布に似ていませんか?
TopHatenarのグラフは対数目盛り、1, 10, 1000, 10000 という刻みになっていることに注意)
実際にはブクマ数と購読者数も、ほどんど軸に貼り付いているような形状をしているのです。
ということは、例えばブクマ数を虫の大きさに換算してみれば、およその位置が感覚的に掴めるのではないでしょうか。
今見ているこのブログ、TopHatenarのグラフ中に赤い点で示されているのですが、
ブクマ数で見るとはてな全体の上位1%程度に入っています。
これを虫に換算してみると、1123匹中の上位1% = 11匹 -> ざっと8mmクラス。
虫の標本で見ると、一番下の列中央の、羽アリか小バエといったところです。
上位1%というと、ものすごく良いように聞こえますが、実際の数で比較すると最上位とは劇的な開きがあります。
虫の標本で言えば、虫カゴに入れておきたいと思えるのは1位のカナブンだけで、
2番目以降はもらっても嬉しくないんじゃないかな。
いろんなものがごたまぜに集まってくると、得てして突出した少数の上位と、数の上で大半を占める小虫のような大多数となる。
これは感覚的に知っておくべきことだと思うのです。

* こちらに続きがあります・・・
>> http://fjt.webmasters.gr.jp/linux/yesterday/2011.06.20.html#09M05D-09h29m50s

参考:
* フラクタルビスケット、ポアソンスパゲッティ >> [id:rikunora:20091213]
* べき分布のメカニズム >> [id:rikunora:20091130]