ニーソックスへの対抗策

まずは比較してみましょう。AとB、どっちが良い?

・・・何、Bだとっ?!
わかっちゃいない、君は、何一つ、全然わかっちゃいない。
Aに決まってんじゃん!
AとBでは雲泥の差、月とすっぽん、富士山と天保山くらい違う!!
よーく見比べてみろ。Bなんて、ただの女盗賊じゃねーか。

ニーソックスの破壊力については、いまさら改めて述べる必要もないでしょう。
あれを考えたやつは、煩悩の塊 天才だと思う。
いっそのこと「若くて健康な女性は全員オーバーニーを着用すべし」という法律を作るべきではなかろうか・・・
そこまで思い至って、ふと考え直した。
全ての女性にニーソックスが似合う訳ではありません。
現実を直視すれば、むしろ日本人に不向きな衣類であるとさえ言えないでしょうか。
もしオーバーニー法案が可決されたら、一生外出できない女性がいることでしょう。
ニーソックスの破壊力が強力であればある程、その影に被害を被る者達がいることを忘れてはなりません。
ここは一つ、日本人として、ニーソックスへの対抗策を練っておかねばならないでしょう。

一体何がそこまでニーソックスの魅力を高めているのか。
脚線がくっきりと見えるから?
だったらBの方がずっと魅力的なはずではないですか。
それを言ったら、いっそ全身タイツみたいなのが最も魅力的な服ということになってしまう。
しかし実際にアレを着るのは、スケート選手かお笑い芸人くらいのものでしょう。
見せればいいってものではなくて、隠れていることが重要なのです。
至上の理想は、想像の内にある。
目前に示された、あるがままの現実よりも、想像の翼によって補われた理想像の方が何倍にも価値が高いのです。
多くの識者(?!)が指摘するように、ニーソックスには「絶対領域」の存在が欠かせません。
ニコニコ大百科:絶対領域 >> http://dic.nicovideo.jp/a/%E7%B5%B6%E5%AF%BE%E9%A0%98%E5%9F%9F
絶対領域は、それ自体の存在もさることながら、
むしろ視線と想像の導線部として絶大な威力を発揮するのではないでしょうか。
そうしてみると、ニーソックスを際立たせている理由と、それに対する対抗策も思い浮かんできます。

いわゆる「洋服」というものは、東洋人にとって相当不利なスタイルではないかと思います。
 ・シンプルに体の線を際だたせるスタイル
 ・直線的な機能美
 ・スマート、合理性を良しとする価値観
私たちはあまりにも自然にスマートな衣服に馴染んでいるため、
ともすると他の価値観があったことを忘れてはいないでしょうか。
忘れられている価値観として筆頭に挙がるのは、おそらく"Japanese-KIMONO"でしょう。

これはこれで、良くない?
明らかに、ニーソックスとは別のベクトルを指向しています。
着物は、何枚かの反物を縫い合わせただけの、非常にシンプルな作りをしています。
なので、もう1度縫い直して使い回すといった芸当もできるのです。
着物には、折り紙や風呂敷に通じる機能美がある。
最初にこれを知ったとき、私は感動すら覚えました。
* [簡単和裁]全体の流れ
>> http://umekoumeko.blog51.fc2.com/blog-category-9.html
着物とは、単に体の線を隠しているだけのものではありません。
浮世絵の美人画には「うなじ、後れ毛、首筋の線」あたりに焦点を当てたものが数多くあります。
つまり、うなじこそが着物における「絶対領域」なのです。>> wikipedia:うなじ
着物姿を見る者は、うなじの線から着物に隠された理想像を想像します。
この流れは、ニーソックスにおけるミニスカートと全く同じではありませんか。
ただ、表現方法が違うだけ。
着物は、背中の線がやわらかい体型に、実に良くマッチしていると思えるのです。

もう1つ、東洋の知恵が詰まっているスタイルにチャイナドレスがあります。

チャイナドレスの絶対領域は、言うまでもなく”スリット”にあります。
改めて見直すと、チャイナドレスは決して露出度の高い服というわけではありません。
それでも、見る者はスリットに垣間見る脚線に導かれて、隠れた理想像に想いを馳せるのです。

あと、ベトナムアオザイなんかも、チャイナドレスと似た指針を採っているように思われます。
アオザイは決して露出度の高い服ではありませんが、全体的なシルエットがとても美しい。
(しかし、アオザイの何処が絶対領域かと言われると、ちょっと困ってしまう。
 アオザイには、あえて挙げるような部分的なポイントが無いんです。)

ニーソックスの対極に位置するものとして、ルーズソックスがあります。

やはりここから、ニーソックスとは別のベクトルを感じませんか?
(ルーズソックスにはセーラー服しか有り得んだろう!ってつっこみは無しね、あえて。)
ルーズソックスを編み出したやつも、ニーソックスに負けず劣らず天才だと思います。
聞くところによるとルーズソックスには、
 ・履くと足が細く見えるので、誰でも安心して履ける。
 ・実はあったかい。
というメリットがあるらしい。
今ではほとんど見かけなくなりましたが、それでもルーズソックスは1つの貴重な指針を示したと思うのです。
脚の線がいわゆる「かっこよく」なくったって、可愛く見せるファッションがある。
この点からもっと学ぶべきなのです。
上の絵に示したように、「だぼだぼトレーナーにショートパンツ」というのも、
それはそれでいいんではないでしょうか。

まとめると、
・見せればいいってものではない。
絶対領域は導線部。そこから想像を広げることによって、価値を何倍にも高めている。
絶対領域->想像という流れは、実は着物にも、チャイナドレスにも見受けられる。
・体の線が出なくても、可愛く見せる方法は存在する。

以上の考察に基づき、ニーソックスへの対抗案を私なりに考えてみました。


つまり、こんなのであればスタイルを気にせず魅力的になると思うのですが・・・
・・・一体、どこのコスプレですか?
失礼しました。