Bamboo .vs. Intuos

パソコンでお絵かきをするのに、タブレットは必須かつ重要なアイテムです。
タブレットの購入を考えたとき、現時点で選択子に挙がるのは、
事実上 WACOM の Bamboo か、上位機種の Intuos のどちらかでしょう。
私は、このほどついに上位機種である Intuos4 を購入しました。
以前、Bamboo を購入してから、まだ1年も経っていません。>> [id:rikunora:20081122]
Intuos の値段は Bamboo の2倍以上、はっきり言って贅沢品なのですが・・・
どうしても絵が上手くなりたかったんだよー!
カタログスペックは高いし、ネットで評判を見ると「確かに違う」みたいなことが書いてあるし。
道具で上手くなれるのなら、思い切って投資する価値ありと信じて入手しました。
上位機種はどの程度違うものなのか、さっそく同じ下書きを元に比較してみました。

使用したソフトは SAI。
下書きは紙に鉛筆書きしたものをスキャナーで撮って、その上から本番の線を描いています。
まずはドローイング(ペンツール)で比較。
いつもであれば大きめの絵を描いて縮小するのですが、今回は細部を見るため原寸大のままです。

どうでしょう? 左が Bamboo、右が Intuos なのですが・・・違わない、全然違わない。
ほとんど間違い探しの世界だ。
最大の違いは、たぶん線の濃さではないかと。
両方とも同じ濃さのペンツールで描いたので、Intuos の方が少しだけ筆圧が高く感知されている。
感度が高いので必然的にそうなったのでしょう。
逆に言えば、Intuos の方が一段階だけ細いペン先を選べるということです。

このままでは納得できないので、次にペイント(鉛筆ツール)で比較。

左が Bamboo、右が Intuos。どうだ、違うか? どこか違っているか?!
ほとんど同じだっていう気がするぞ!
ということで、悲しい結論を下さねばなるまい。
Bamboo も Intuos も、見かけ上ほとんど変わらない・・・私程度のレベルでは。

このままでは大枚はたいた投資が虚しいし、WACOMの開発陣も納得が行かないでしょうから、もっと細かな違いを挙げてみます。
絵の仕上がりが区別できなくても、両者の書き味にはやはり違いがあります。
やはり Intuos の方がよりダイレクトに描ける感覚があります。
そのため、描いているときのイライラ感は Intuos の方が少ない。
ただ、この違いは本当にわずかなもので、店頭でちょっと試し書きした程度では、まず分からないでしょう。
両者の差は、筆圧、特に軽いタッチで細い線を描いたときに出ます。
逆に言えば、最初に挙げた絵のような太さ一定のドローイングでは、違いはありません。
(筆圧を利用した、強弱の付いた線であれば違いが出るかもしれません。
 私は線の強弱がうまくできないので、この機能を生かし切れていません。)
一方、線にタッチのある下側の絵には、描き方の違いが出ています。
Bamboo の場合(Intuos に比べると)線が狙い通り運ばないので、
一本一本「えいやっ、えいやっ!」ってな感じに勢いを付けて描かなければなりません。
(それがかえって勢いのある線を生んでいる、というところもある。)
一方 Intuos の場合は、全く描いた通りに、そのままの線が引けます。
この差が2枚目の絵の比較となって出ているのですが、、、分かりますかね?

ということで、Bamboo と Intuos の違いは、本当に僅差なのです。
毎日、毎日、何かしら描いているとか、もともと紙とペンで上手に描ける腕がある、
といった人でないと、上位機種の意味は薄いと思います。
いたずらに道具を上げても、使いこなす腕がなかったら、どうしようもないってことで。
Intuos を買えば上手くなる、といった、私の当初のもくろみはハズレのようです・・・
最大の収穫は、「ここまで投資したのだから、元をとる位は描かなくては」というプレッシャーでしょうか。
とにかくこれでタブレットが2つになったので、会社でも自宅でも描けるようになったことだし。。。
たぶん、Intuos 使っている人が上手いのは、Intuos が故に上手いばかりでなく、
迷わず Intuos を選ぶほど気合いが入っているからなのではないかと思う。

* どっちを買ったら良いか? ※追記
「Gペンが使えるかどうか」が1つの判断基準になると思います。
・Gペンが使える人 => Intuos
・使いこなせない人 => Bamboo
私はGペンというものを上手く使うことができなくて、
代わりに「かぶらペン」というものを使っています。
Gペンは筆圧によって自由に太さが変わる、
かぶらペンはそれに比べると硬めで、太さ一定の線が描ける。
なので、私にとって上位機種はちょっと贅沢なのです。
いや、せっかくだから、この機会にGペン級の線をマスターしよう。